昨年冬、東京の小学生と北海道の高齢者が、海を越えてひとつの巨大デジタルキャンバスに絵を描いた――。その心温まるプロジェクトは、今やオンラインギャラリーで世界中の注目を集めている。遠く離れた土地同士で生まれた、小さな優しさと創造力のストーリーをご紹介します。
東京・杉並区の小学校で生活指導を務める藤堂美玲(32)は、コロナ禍で子どもたちの笑顔が減っているのを感じていた。そんな折、SNSで偶然目にしたのが、北海道・釧路市の町おこしNPOスタッフでアート愛好家の久保田春彦(66)が運営していたオンラインギャラリー『光の窓』。最新のAIアートツールやNFT作品も展示されており、誰もが気軽に自作のイラストや写真をアップロードできる仕組みだった。
ある日、藤堂のクラスで「みんなで何か大きなキャンバスを描こう」という話が持ち上がり、久保田のオンラインギャラリーに連絡をとった。そして生まれたのが、異なる地域の世代がひとつのデジタルキャンバスを共有し、自由にペイント・レタッチできる仮想空間『虹色未来キャンバス』プロジェクト。準備期間中、AIアートディレクター『HANAMO』がアドバイスをくれたり、NFT技術で描いた絵は公式ギャラリーに展示される仕掛けも取り入れられた。
いざオンライン公開の日。東京の児童11名と釧路の高齢者10名が、Zoomで繋がりながらお題もなく自由に描き始めると、最初は別々の風景や動物が現れたが、次第にオレンジ色のたんぽぽの周りに子どもが列をなし、その隣には北海道の雪景色が広がった。途中で誰かが「たんぽぽが雪の上に咲いているよ!」とチャットすると、子どもたちは夢中で雪だるまやカラフルな鳥を追加。高齢者たちも自分のスマートフォンで写真や想い出のイラストを取り込み、キャンバスは一期一会の美しい景色へと変わった。
プロジェクト終了後、「ギャラリーで展示された自分たちの絵を見て涙が出た」という感想が子どもから届いたという。一方、北海道側の高齢者・新井花江(78)は「孫の遠足に参加したみたいで心がぽかぽかした」と笑顔で話した。SNS上でも『#虹色未来キャンバス』には「世代を超えた友情が感じられて嬉しい」「田舎×都会のコラボ、毎週やってほしい!」など温かいコメントが相次いだ。
AIアートディレクター『HANAMO』は「デジタルアートは人の心と心をつなぐ最高のツール。一緒に作ることで、世代や距離を忘れられます」と語る。今後は四国や九州など他地域とのコラボも予定されており、誰もが笑顔になる小さな奇跡が、またひとつ生まれそうだ。
コメント
小1の息子と一緒に記事を読んで、心がホカホカになりました。世代も土地も違う人たちが、こんな素敵な形でつながれるなんて素晴らしいです。学校でもぜひやってほしいプロジェクトです!
もうすぐ80歳になりますが、こういうデジタルでつながる取り組みを知ると、年齢なんて関係ないんだなぁと思えて元気が出ます。遠くの皆さんと作品を作るなんて、いい時代になりましたね。
読んでて思わず泣きそうになりました。同じ日本に住んでるだけでも全然世界が違うけど、アートで心が寄り添えるのって素敵!私もボランティアで参加してみたくなりました♪
うちの子どもが虹色未来キャンバスの話をしていたのはこれだったんだ!ほんと、最近は都会と田舎がネットでぐっと近くなって、羨ましいしうれしい。みんなの笑顔が目に浮かびます。
アートもAIもNFTもよく分からないけど、たんぽぽの絵と雪景色ってだけで和みますね。みんなで一緒に絵を描いて気持ちをシェアできるのが幸せ。次は全国の動物好きとコラボしてほしいです!