多摩川に七色の“幸せな水しぶき”出現――住民たちに小さな虹を届ける護岸工事

多摩川の護岸工事現場で、水しぶきから現れた虹を親子が見上げている朝の風景。 河川
朝の多摩川で、工事の水しぶきが生んだ虹を見上げる親子の姿が話題になっています。

快晴の空の下、多摩川の下流域で進められていた護岸工事。その現場で、朝の通学路を歩く親子や川岸を散歩する人々の間に、思わぬ明るい話題が広がっている。工事用のポンプが吐き出す水しぶきが、なぜか毎日、小さな虹を作り出しているのだ。

この現象を最初に見つけたのは、小学校3年生の照井花音さん(9)と母親の里子さん(38)。「朝日が当たる時間になると、いつも工事の人たちのそばに虹ができてて、本当にきれいなんです」と花音さんは顔をほころばせる。虹は大きいもので2メートル近くに伸び、虹色の帯が川岸や近くの木々にもかかることがあるという。SNSでも「朝から虹!」「今日もよい一日になりそう」といった投稿が急増し、工事現場がちょっとした人気スポットとなっている。

この“幸せな水しぶき”は、実は工事会社の作業員、田代正志さん(51)のちょっとした遊び心から生まれたものだった。田代さんは「朝早くから川で働くのは大変ですが、みんなの気持ちが明るくなるようにと、水の噴射角度を微調整していたら、たまたま虹ができたんです」と語る。以来、同僚たちも協力して、水しぶきのなかに虹を出す“秘技”に各自挑戦。「何色が一番きれいに見えるか」「どの時間帯がベストか」など、朝の小さな競争も生まれているそうだ。

近くのデイサービスに通う島村弘子さん(78)も、散歩の途中で虹に出会うのが日課になった。「川の工事って、騒音や景観の変化が心配でしたが、この虹のおかげで毎朝のお散歩が楽しみになりました。工事の人たちに思わず“ありがとう”って声をかけたくなるんです」と言葉を弾ませる。地域の保育園や学校では、子どもたちが虹のイラストを描いたお手紙を現場へ届ける活動も始まり、ほほえましい交流に発展している。

利根川流域の水管理アドバイザーである木塚遥さん(41)は、「自然の川と人の営みが、こんなふうに思いがけず調和するのは珍しいこと。護岸工事が始まる前より、地域の絆も深まったと感じます」と話す。工事はもうすぐ終わりを迎えるが、関係者は「跡地に小さなレインボースポットを残せないか検討したい」と前向きだ。多摩川の虹は、きっとこれからも人々に幸せな朝の景色を届けてくれるだろう。

コメント

  1. 毎朝娘と通学路でこの虹を見るのが日課になりました。子どもが「今日は虹出てるかな?」とワクワクして学校へ向かう様子に、私まで元気をもらっています。田代さんたち、本当に素敵なアイディアありがとうございます!

  2. 散歩中にこんなきれいな虹が見られるなんて、昔は考えられんかったなあ。最近は工事現場もうるさくないし、むしろ楽しみにしてるくらい。工事の兄ちゃん達に拍手を送りたいです。

  3. 朝からSNSでみんなが「虹見た!」って盛り上がってるのを見ると、こっちまで嬉しくなります。私もバイト帰りに寄ってみようかな。地元の新しい名スポットですね!

  4. 虹ができるおかげでうちの店にも寄る人が増えてる気がします(笑)。町全体がちょっと明るくなった気がして、こういう工夫はどんどんやってほしいです。

  5. 工事現場って普通は避けて通る場所なのに、みんなが集まって笑顔になれるなんてすごく素敵。優しさや遊び心が町に幸せを運んでる、とても良いニュースだと思いました!