奇跡の“歌う原料米”で地域に笑顔 日本酒とクラフトビール、心をつなぐ新潮流

秋田県の学校グラウンドで行われたお祭りで、老若男女が笑顔で乾杯したり食事を楽しんでいる様子が写っています。 日本酒・クラフトビール文化
町をつなぐ『歌うお米フェスティバル』の賑わい。

秋田県北部の小さな町で、“歌う原料米”が人々の心をひとつにしています。新政酒造が開発したという不思議なこの米。その周波数が発するハミングのおかげで、地元の酒蔵とクラフトビール工房、さらには多世代の住民たちが手を取り合い、新しい町の名物が誕生しました。

事の始まりは、町内に住む林芽依さん(37)が田植えをしていたとき。苗が風に揺れるたび、ほんのりと子守唄のような音色が聴こえてきたのです。「最初は気のせいかと思いました。でも、収穫期を迎える頃には、隣町の田んぼからも同じメロディが流れてきて、皆で口ずさむようになったんです」と林さんは笑顔で語ります。この米を使った新政酒造の純米酒は、フルーティな香りと優しい口当たりが地域外でも話題に。一方、ペットネームで親しまれる「ハミングライス ビア」は、地元クラフト工房の鈴木悠斗さん(28)が開発。爽やかなラガースタイルで、米由来のほんのりとした甘みが特長です。

そして、最も町が盛り上がったのが、今年初めて開催された『歌うお米フェスティバル』。会場となる学校のグラウンドには、新政酒造の酒やクラフトビール、地元の旬な食材を組み合わせた屋台が軒を連ねました。特に話題を集めたのが、地元主婦グループ“まごころキッチン”が考案した新名物「歌う稲穂のチーズリゾット」。ふわりと米の甘みが広がる一皿に、ビールも酒も相性抜群。子どもからお年寄りまで、みな笑顔で乾杯する様子が印象的でした。

地元高校では、フードペアリング研究会が誕生。生徒代表の田中未歩さん(17)は「国語と理科、音楽の先生まで巻き込んで、歌うお米でつくられた酒やビールと地元野菜の組み合わせを研究しています」と語ります。今年の文化祭では、音色で味わいが変化する“ラガー×音楽実験”も行われ、会場は大きな拍手に包まれました。

SNSには「この町のイベントに参加して、“美味しい”と“楽しい”を初めて同時に感じました」(訪れた会社員・大阪府)、「歌う米が運んだやわらかな絆に心あたたまりました」(観光客・群馬県)など多くの声が寄せられています。“歌う原料米”は、偶然と人の優しさが生み出した小さな奇跡。来年の新酒・クラフトビールとともに、町の笑顔もまた一層深まりそうです。

コメント

  1. 読んでいて心がぽかぽかしました。子どもたちと一緒に田んぼのお米の音を聴いてみたくなりました。地元がこんなに盛り上がるニュース、素敵ですね。フェスティバルもぜひ親子で参加してみたいです!

  2. 昔は近所の田んぼの稲穂の音を耳をすまして聞いたもんです。今のお米は歌うんですねぇ、時代は進んだなぁと嬉しくなりました。お酒もビールも米も、人をつなぐんだなと心が温かくなりました。

  3. なんか胸がキュンとしました!高校生たちが音楽とフードのペアリングとかワクワクしかないです!勉強にも、地域の輪にもなってて最高!私も参加してみたくなりました。

  4. 歌う稲穂のリゾット…今度集まりで作ってみます!地元の人たちが助け合って笑顔になるって、本当に幸せなことですよね。ハミングのお米、食べてみるのが楽しみです。

  5. こういう奇跡の話っていいですね。最近は暗いニュースが多かったので、朝から優しい気持ちになれました。秋田の町、これからも応援したいです。