東京の空にエメラルド色の蝶――都市緑化が“幸運の訪れ”を運ぶ日

東京都心の公園で、エメラルドグリーンの蝶が花壇の上を群舞し、驚きと笑顔の通勤客たちが足を止めて見上げている様子。 環境と自然
リバーブルーパークに舞い降りたエメラルドアゲハの群れが、東京の朝にやさしい奇跡をもたらしました。

今朝、東京都心の多摩川沿いに作られた新しい環境共生公園で、ひときわ珍しい光景が広がりました。エメラルドグリーンに輝く数百匹もの蝶が、駅前ビル群の風に乗って空を舞う。その艶やかな群舞に、通勤中の人々から驚きと歓声、そして笑顔があふれました。都市を包み込んだこの“緑の奇跡”は、誰もが予想しえなかった優しい一日の始まりとなりました。

群蝶が現れたのは、昨年秋に完成した「リバーブルーパーク」の中央花壇。ここでは、地元の住民グループ『みどりのたね会』のメンバーである新城幸人(しんじょう ゆきと)さん(会社員・36歳)や、園芸好きの都職員・若槻円(わかつき まどか)さん(42歳)らが、無農薬の花々を育ててきました。冬から手間暇かけて植えたハーブやワイルドフラワーの香りに誘われ、琉球地方でしか見られなかった“エメラルドアゲハ”が今年初めて東京にも姿を見せたのです。

「東京はコンクリートの町だと言われますが、仲間と一緒に植えた小さな緑が、いつか大きな変化を生むと信じていました」と新城さんは言います。その思いが通じたのか、SNS上では“#みどりの約束”のハッシュタグと共に、公園で見かけた蝶の写真が次々と投稿され、『今日が人生でいちばん幸せな通勤になりました』『子どもが蝶を追いかけて笑っていました』など、喜びのコメントが全国から寄せられました。

この地域では昨年、水資源の循環システムも導入され、敷地内の小川には清浄な雨水や「パーク・ウォーター」再生水が流れ、人も生き物も心地よく過ごせる場所となっています。近隣小学校では蝶の観察会が開催され、「都市の中で自然と共生する暮らし」について考える特別授業も実施。子どもたちは蝶をテーマにしたエコツーリズムマップを作り、公園のガイドツアーまでプロデュースしています。

環境科学者の麻生由利子博士は、「都市緑化と有機栽培、再生可能エネルギーの実証実験は、予想を超える効果を生み出しています。公園の小さな緑が、街の空気も人々の表情も、やさしく変えているのです」と語ります。夕暮れ、ふたたび舞い上がった蝶の群れを見上げながら、多摩川沿線の人々はいつもより深く息を吸い込みました。“幸せな偶然”は、やがて日常へ――今日も誰かが、何かを大切に育てること。その優しい連鎖が、都市の未来を静かに照らしています。

コメント

  1. 小学生の子どもと一緒に記事を読みました。エメラルド色の蝶が東京に舞うなんて思ってもみませんでした。通学途中でこんな景色が広がっていたら、自然のことをもっと身近に感じられそうですね。素敵なニュースをありがとうございます!

  2. いや~久しぶりにこんな心あたたまる話題を見てほっこりしました。僕は年金生活ですが、公園のベンチに座って蝶の舞いを眺めるのが夢だったので、こんな出来事が本当に起きてくれたら最高ですね。年寄りにもやさしい街づくり、応援してます。

  3. こんなにきれいな蝶が都会に現れるなんて、ちょっと信じられないくらいワクワクしました!写真のSNS投稿も検索してみたくなっちゃいます。同じ学生仲間と今度放課後にリバーブルーパークへ行ってみたいな。自然ってやっぱいいですね!

  4. 近所に住んでますが、公園の花壇をお散歩のたびにのぞくのが毎日の楽しみです。みどりのたね会の皆さんには本当に頭が下がります。子どももお年寄りも、一緒になって自然を育てていける町になるといいな、と改めて思いました。

  5. こういう幸せな連鎖の話って、読んでるだけで元気がもらえるね!自然とか環境って、難しいことばっかりじゃなくて、身近な公園から始められるんだな~って気付かされた。朝からいい気分、ありがとう!