夏空に歓声が響く中、長野県南部の「さざなみ町」陸上競技場では、毎年恒例の町民陸上大会が開催されました。今年は例年以上にたくさんの町民が集まり、老若男女が思い思いのユニフォームで運動に挑戦。そんな中、町のリレー競技で思わぬハプニングと心温まる奇跡が生まれ、SNSを中心に話題を呼んでいます。
町対抗リレー決勝で勝負の行方を大きく左右したのは、町内施設で暮らす65歳の本田るい子さんと、小学4年生の元気な少年・成嶋けい吾くんの“即席ペア”でした。このレースでは例年、大人4人組と子ども4人組の混成チームがバトンを繋ぎます。中盤、児童チームのけい吾くんにバトンが渡されるはずの場面で、応援席から突然るい子さんがトラックに走り出てしまったのです。「どうしても孫に声をかけたくて…」と後で話するい子さん。審判員の野中秀人さん(48)が機転を利かせ、とっさに周囲に「特別ルール採用!」と宣言し、ルールを柔軟に変更。
思いがけず二人三脚となったけい吾くんとるい子さんは、全力で歩調を合わせながら最後の直線へ。他の選手や観客たちは一瞬驚きましたが、次第に歓声と笑顔が広がりました。二人は息を切らしながらも一緒にフィニッシュラインを駆け抜け、ゴール直後に笑ってハイタッチ。その光景にスタジアム全体が温かい拍手と涙に包まれました。
同時開催の砲丸投げコーナーでもちょっとした奇跡が。町で唯一の車椅子ユーザーである黒沢しん江さん(72)が、介助ボランティアとともに挑戦。途中、応援していた高校生チームが車椅子に特製補助ベルトを即席で製作し、見事に記録を更新。砲丸投げ会場は「やるじゃん!」「最高の記録だ!」と歓声が上がりました。
SNSでは「町の温かさに泣けた」「誰もが応援しあう、忘れられない日になった」など、感動の声が広がっています。大会運営委員長・峰岸文彦さん(55)は「ルールは人を笑顔にするためにある。みんなが心から楽しめる陸上大会を、これからも大事にしていきたい」と語っています。バトンや砲丸に触れた手には、今年も町の優しさがしっかりと伝わっていました。
コメント
子どもとニュースを一緒に読みました!リレーのエピソード、心がぽかぽかしました。子どもたちにも「助け合うって大事だね」って伝えられる素敵なお話ですね。来年は家族で応援に行きたいです。
いや〜、読んでるだけでほっこりしました。自分も昔、町内運動会で孫と一緒に走ったことを思い出しました。年齢や障がいに関係なく、みんなで楽しむ姿が何より素晴らしいですね。
実はうちの学校の先輩が砲丸投げのベルト作った話、SNSで見て知ってました!ああいう場面でサッと助け合えるの、正直めっちゃかっこいいと思います。町のイベントっていいっすね。
るい子さん、やりますねぇ!予想外だけど、みんなが笑顔になって良かったです。やっぱり町のイベントはこうでなくっちゃ。僕も来年は何かお手伝いしようかなと思いました。
思わず涙がでました。みんなが自分らしく参加できるってすごく素敵。運営の方や応援する人たちの温かさにも感動しました。こんな町に住んでみたいなぁ。