朝のプールを流れる水音が、今年の夏は例年にも増して優しく響いています。その理由は、全国の児童たちが生み出した、一風変わった“かくれんぼ水泳大会”にありました。偶然のひらめきから始まったこの大会が、地域に大きな笑顔の輪を作り出しています。
ことの発端は、十勝に住む小学4年生の沢田花音さん(10)が水泳教室で考案したアイデア。「プールの中で鬼ごっこみたいに隠れたら楽しそう」という花音さんの提案に、インストラクターの田辺悠介さん(35)は“安全に見守る水遊び”として独自ルールを即興で考えました。各自が背泳ぎで静かに進むこと、呼吸を整えるため定期的に浮上すること、そして目印のカラフルなキャップを使うこと――。花音さんの教室で始まったこの遊びは、参加した子どもたちの口コミですぐに話題となり、他のスクールや町のコミュニティにも広がっていったのです。
大会のユニークな点は、“どれだけ楽しく、静かに、ほかの人を驚かせられるか”が評価ポイントとなること。勝ち負けではなく協力や思いやりを重視するため、テクニカルスーツや高級水着の着用も推奨されず、自由な格好でOKというのがモットーです。さらには、ルールの一部として“隠れている子どもにそっとタオルを掛けて応援した大人”にも温かい拍手が贈られるなど、大人も子どもも主役になれる大会に。SNSでは「#かくれんぼ水泳」のタグ付き動画が次々とアップされ、遠方からも参加希望が後を絶ちません。
注目すべきは、プールのスタッフや地元のシニア水球チームまでが自主的に協力チームを結成し、子どもたちと一緒に大会を盛り上げていることです。一部のトライアスロン経験者たちは「記録より、笑顔を競いたい」と語り、参加を申し出るほど。水温の調整や安全面への配慮も重ねられ、小さなお子さんも安心して“水辺の冒険”を楽しむことができるようになっています。
大会を見守った元オリンピック水泳選手の柴崎理一氏(57)は「速く泳ぐことも素晴らしいけれど、楽しさや優しさをみんなで味わうことの方が、未来の水泳界にはきっと重要になる。こうした遊びの中から、新しい才能や友情が生まれる姿に感動した」とコメントしています。来年には全国規模での開催も検討されており、今後“かくれんぼ水泳”が夏の定番イベントとして定着する日も近そうです。
コメント
小学2年の娘が水泳教室に通っているので、とても興味深く読みました!勝ち負けじゃなくて、みんなが協力して楽しめる大会って素敵ですね。学校でもこういう取り組みが増えたらいいなと思います。
昔はよく子どもたちが空き地でかくれんぼをしてたもんですが、今はこんな風にプールで工夫して遊ぶんですねぇ。大人も応援できるのがなんとも温かいです。若い子たちと一緒に遊べるイベント、今度見学してみたいです。
めっちゃ癒される話!SNSの動画もちょこちょこ見ててほっこりしてます。高校のとき水泳部だったけど、たまにはこういう和やかな大会も本当に大事だと思う。全国に広がったら友達と参加してみたいです!
かくれんぼを水泳でやっちゃう発想がすごいっすね!正直、昔は水泳=タイム勝負みたいなイメージだったけど、楽しく泳げるって最高だと思う。小さい子も安心してできる工夫があるから、弟にも教えてあげようかな。
こういうニュースが世の中にもっとあふれていたらいいのに…と心から思いました。そっとタオルを掛けてあげる大人にも拍手が贈られるって、なんて優しいルールなんでしょう。私も地域のイベントでぜひ取り入れてみたいです!