おじいちゃんの誕生日に集う“メタバース診療室”、家族の願いが叶えた新しい健康管理

複数世代の家族がそれぞれの端末でオンライン診療に参加し、画面中央に医師とつながる様子を明るい部屋で再現した写真風画像。 ヘルステック
離れて暮らす家族がメタバース診療室で心を通わせた瞬間。

遠く離れて暮らす家族とオンラインで診察を受けられる――そんな夢のようなサービスが、今年の春から全国各地で静かな広がりを見せている。最初のきっかけは、宮崎県在住の高田昌吉さん(72)が孫たちの願いをきっかけに使い始めた、あるユニークなヘルスケアアプリだった。

昌吉さんが「メタバース診療室」に初めて入室したのは、彼の72歳の誕生日だった。東京で働く娘の理恵さん(43)と、兵庫の大学に通う孫の拓真さん(20)、福岡の高校生の孫娘・真琴さん(17)が全員、アプリ内の仮想診療室に集った。参加者全員のアバターは、好きな服装や髪色を設定し、和やかな雰囲気。担当医師の森口俊一先生(48)は「これだけ家族の顔が揃うと、いつもの問診が一層温かいものになりますね」とほほえむ。

昌吉さんは生活習慣病の定期検診で、この新サービスを利用。あらかじめスマートウォッチで取得していたバイタルデータ(血圧、心拍数、歩数など)が、アプリ上で医師へ送信されている。家族はリアルタイムでその様子を見守り、一緒に健康アドバイスに耳を傾けていた。「おじいちゃん、夜ふかしのデータがバレてるよ!」と拓真さんがチャットでからかうと、昌吉さんは照れくさそうに笑ったそうだ。

このメタバース診療体験を運営するベイシー・ウェルネス社では、家族単位での“健康サポート”を目指した新機能が次々と開発されている。例えば、アプリは普段の会話をヒントに“応援メッセージ”や“日替わりウォーキングミッション”を自動で作成し、家族内で「今日のほめコイン」を送り合うことまでできるそうだ。理恵さんは「父ひとりだと不安でしたが、家族みんなで診察に参加することで、心も健康になれた気がします」と語る。

SNSでは「うちもメタバース診療してみた!祖母がすごく嬉しそうだった」「離れて暮らす家族が同じ空間でサポートできるのが新しい」といった感想が相次いでいる。担当医師の森口先生も「健康の“見守り合い”が、薬や機器に勝る力を持つことがあります。患者さんご自身とご家族の励ましが、何よりの治療になる」と話している。技術と家族の愛情が出会った“新しい診療室”は、全国の家庭に小さなあたたかさを届け続けている。

コメント

  1. 小学生の子どもがいるので、こういう家族みんなでおじいちゃんを応援できる仕組みは素敵だなと思いました!遠くに住んでてもしっかり見守ってあげられるし、子どもたちもおじいちゃんに声かけられたりして嬉しいでしょうね。どんどん広まってほしいです。

  2. 自分も高田さんと同じ年代ですが、孫や子どもといっしょに診察を受けるなんて想像もしませんでした。ちょっと恥ずかしいけど、家族と話すいいきっかけになりそうでいいですね。自分も試してみたいです。

  3. わたしも遠方の祖母が最近体調を崩して心配だったので、こんなサービスがあったら安心感が違うと思う。健康の話ってつい難しくなっちゃうけど、みんなでワイワイ相談できたら楽しいかも。

  4. 高田さんご一家、みんなが集まれて素敵ですね。近所でも一人暮らしのお年寄りが多いので、こういう診療室があれば孤独感も減りそう。AIとか最新技術は難しそうだけど、温かい使い方だとほっとしました。

  5. 家族みんなで応援しあえるっていい時代だなあ。こういう仕組みがあったら、離れて暮らしててもちゃんとつながれるし、しかもゲームみたいな要素まであるのが面白い。うちのじいちゃんにも教えてみます!