春長小学校“話す樹の国会”が本格始動 子どもたちが夢の法案づくりに挑戦

小学校の校庭でクスノキの周りに子どもたちが丸く座り、話を聞いている様子の写真です。 教育と政治教育
春長小の校庭で子どもたちがクスノキ先生を囲み、楽しく対話する様子。

春長小学校の校庭に立つ一本のクスノキが、今年から“話す樹の国会”の舞台になりました。子どもたち自身が政治や公共に関心を持ち、多様な意見を尊重し合う“民主主義の体験授業”が、全国でも注目を集めています。

この新しい取り組みは、社会科担当の安東美咲教諭(33)の発案から始まりました。ある日5年1組の児童、赤松幸太さん(11)が「木にも意見があるとしたら、何を考えているんだろう」と投げかけた一言をきっかけに、校庭のクスノキの“声”をつくり、クラス全員で意見交換をするプログラムが誕生。AIスピーカーを内蔵し、児童の質問に“クスノキ先生”として語りかけるこの樹は、児童たちに「人と違っても、みんなに発言の権利がある」ことを伝えています。

毎週金曜日の昼休みになると、全学年が校庭に集まります。テーマは毎回、みんなで考える『わたしたちの学校をもっと楽しくする法案』。たとえば三年生の佐渡凛々花さん(9)は「トカゲも校内を自由に歩ける日」を提案。意外にも賛同の意見が多く、反対派と討論会になりました。クスノキ先生は「少数派の声に耳を傾ける大切さ」を児童たちと一緒に考えます。

時には熱が入りすぎて意見がぶつかることもありますが、「拍手タイム」や「アイスブレイク質問」などクスノキ先生が提案するルールで、笑いとあたたかさのある討論が展開されます。先日は四年生の金森大輝さん(10)が「転校生歓迎のサンドイッチパーティー法案」をプレゼン。討論のあと多数決で可決され、翌週には本当に全校でピクニックランチが行われました。

この活動に保護者や地域も巻き込まれています。春長町の町議会議員・清田辰巳さん(57)は、「子どもたちが社会のしくみや多様性をこうやって自然に体験できるのは大きい。むしろ大人も参加したいくらい」と語ります。SNSでも「話す樹の国会、他の学校にも広げてほしい」「子どもの発想に元気をもらえる」といった声が相次ぎました。春長小の校庭では、今日も子どもたちとクスノキ先生が、夢あふれる政治の物語を育てています。

コメント

  1. うちの娘も春長小ですが、毎週国会の日は本当に楽しみにしています。子ども同士でいろんな考えを聞き合えるって素敵!クスノキ先生、我が家でも話してほしいくらいです。もっと多くの学校に広がるといいなぁと思います。

  2. いや〜、最近の子はすごいね。ワシらがガキの頃は先生の言うことだけばかりだったけど、みんなで考える時代なんじゃな。クスノキと話すなんて、発想がほんまに温かくてうれしい気持ちになります。

  3. ちょっと羨ましい!私の小学校にはこんな楽しい授業なかったです。トカゲの法案とか、すごく自由でワクワクする話題をみんなで真剣に話せる雰囲気、いいなと思いました。春長小のみんな、これからも頑張って!

  4. 正直、木に話しかけるって最初びっくりしました(笑)でもAIでどんな意見も受け止めてもらえるって、勇気が出そう!こういうほっこりニュース、めっちゃ応援したくなります。

  5. ステキな取り組みですね!うちの子ももう少し大きくなったら、春長小に入りたいです。子どもたちが思いやりを学びながら、みんなで学校を作っていく姿にほっとしました。