“うたう防犯鳥”が導く地域の輪 町内会パトロールに新メンバー現る

薄曇りの朝、少女が指にセキセイインコを乗せて住民たちとパトロールする町内の静かな通りの様子。 防犯・防災コミュニティ
セキセイインコのハッピーとともに清水町の住民が見守りパトロールを行う穏やかな朝。

秋の風がやさしく吹き抜ける薄曇りの朝、清水町の町内会が新たな防犯パトロールを始めたといううわさが広まり、住民の間でにわかに注目を集めている。その立役者は、なんと一羽のセキセイインコ「ハッピー」だ。人と鳥が肩をならべて町を見守る週末の見回り活動は、思いもよらない笑顔の連鎖を生み出しつつある。

パトロールのきっかけは、高齢化が進む清水町で住民の防犯意識を高めようと、町内会長の安達浩司(62)が提案したことから始まった。とはいえ、担い手不足や、歩くのが大変な高齢者の増加でなかなか思うように活動が進まなかった。そんな中、近所に住む小学生・佐久間優菜(10)が毎朝連れて散歩しているセキセイインコの「ハッピー」を連れパトロールに参加したことが転機になったという。

「みんなインコを見て声をかけてくれるから、パトロール中に知らないおばあちゃんともお話しできるようになったよ」と優菜さん。ハッピーは人の言葉をよく真似て、「おはよう」「きをつけてね」などと元気にさえずる。その姿が微笑ましいと、パトロールには次第に住民が集まりはじめた。普段は家から出る機会の少ない80代の女性や、子育て中の母親たちも「ハッピーに会いたくて」と足を運ぶようになり、平均参加者数は三倍に増加した。

活動に参加している高齢者の中には、一緒に歩くことで健康維持もできると喜ぶ声も多い。パトロール終了後には「今日もご安全に!」とハッピーの掛け声で始まるお茶会が開かれ、そこで住民同士がお互いの心配ごとや日々の出来事を話し合う光景が定着した。30代の主婦・井坂典子さんは「インコがきっかけで自然にコミュニケーションが生まれる。危険なことや困りごとも、気軽に相談しやすくなりました」と話す。

この珍しい取り組みは、SNSでも話題となった。『#うたう防犯鳥』と名づけられた投稿には、他の地域の町内会長や防犯アドバイザーからの応援コメントも多数寄せられている。ある地域防犯アドバイザーは「人だけでなく動物も地域をつなぐ大切な仲間ですね。防犯活動の新しい形として広がってほしい」と期待を寄せている。うたう防犯鳥がきっかけで、人々が自然と集い支え合う、やさしい地域の未来が広がっているようだ。

コメント

  1. インコのハッピーちゃん、すごく可愛いですね!うちの子も動物が大好きなので、一緒にパトロールに参加してみたいなと思いました。子どもが地域の方と自然に交流できるって、とても素敵なことだと思います。

  2. 私も高齢になってお散歩がつらい日もありますが、こういう楽しいきっかけがあると外に出てみたくなりますね。町のみんなでおしゃべりしながら歩けるなんて、昔のにぎやかな商店街みたいで嬉しいです。

  3. やば、ハッピーって本当に喋るインコなんだ!想像しただけで和むわ。SNSで話題になってるのも納得。このアイデア、うちの地元でも取り入れてほしい!

  4. 最近は隣の家の人とすら話す機会が減っていたけれど、ハッピーのおかげで町に笑顔が増えて本当に嬉しいです。これからもこの温かい輪が広がっていくといいなぁ。

  5. ほっこりしますね〜。子ども達と動物の力って本当にすごい。みんなの安全を見守るパトロールが、優しい“つながり”の場所になるなんて…素敵すぎて朝から元気をもらいました!