下川神社で“笑顔百彩フェス” 神社×グランピングがひらく新しいご縁のかたち

伝統的な神社境内で色とりどりのテントと提灯が並ぶ芝生広場に、笑顔の人々が集う秋祭りの様子。 フェスティバル
世代を超えて人々が集い、新しい交流が生まれた“笑顔百彩フェス”の一場面。

山間の空気がほのかに秋の香りを運ぶころ、岐阜県下川町の下川神社境内にて、“笑顔百彩フェス”が初開催された。鳥居をくぐると、キャンプテントが連なり、まるで縁日のようなにぎやかさ。老舗神社と最新アウトドア文化が融合したこの新感覚フェスティバルには、世代や立場を超えて多くの人々が集った。

神主の柳本遼太(62)は「地域のために新しい形の交流の場を作りたい」と、地元若者グループ“けやきの芽”代表の大橋真央(27)と3年前から構想を温めてきた。今回は、古式ゆかしき祭囃子の演奏がライブペインティングと競演する、今までにない趣向も盛り込んだ。ひらひらと揺れる和紙の提灯の下、大人も子どもも、境内の芝生で自由なグランピング体験を楽しめるようテントや焚き火スペースが並ぶ。

お祭り男として有名な川上徹男(44)は、恒例のジャンボわらじ担ぎに加え、今年は“世界一長い福笑い”記録にも挑戦。来場者全員が笑顔になる福笑いの目や口を一筆ずつ描いていくライブペインティングに、プロのアーティスト・曽根沙織(35)も思わず筆を止めて笑顔で飛び入り参加した。「筆と太鼓のリズムが混ざる感覚は初めて。絵が踊り出すようでした」と語る。

参道沿いには、町内外のキッチンカーがずらりと並んだ。地元産の鮎や卵を使ったオリジナルグルメに、音楽家・海野夕希(25)のギター伴奏つきでほっこり舌鼓。SNSでは「神社で焚火を囲んで焼きマシュマロなんて、贅沢すぎる!」「見知らぬ人とおにぎりを分け合ったら、いつの間にか友だちに」といった投稿が上がり、オンライン参加者もフェスの空気をリアルタイムで楽しんだ。

フィナーレは、大小の張り子を皆で空に上げた“笑顔の天燈流し”。風に揺れる無数の灯りのなかには、各家族がその場で描いた願い事やイラストが託されている。一夜明けて地元住民の田村杏美(63)は「普段接点のなかったご近所さんと深く話せて、若い人とも肩を並べて踊れるお祭りになるなんて思いもしなかった」と目を細めた。来年は他の神社からも見学者が招かれる予定で、“笑顔百彩フェス”の輪はじわじわ広がっていきそうだ。

コメント

  1. 子どもたちと一緒に参加しましたが、神社×グランピングは初めてでとっても新鮮でした!おにぎりを分け合うとか昔懐かしい感じもあって、親子で心が温かくなりました。また来年もぜひ行きたいです。

  2. 昔は神社のお祭りって決まりきったもんだったけど、こんなに若い人と一緒に自由に楽しめるなんてびっくりしたよ。わしも孫とマシュマロ焼いたのは初めてだった。町が明るくなって嬉しいなあ。

  3. 伝統と今っぽさのコラボ最高でした!ライブペインティングと和太鼓のセッション、動画で見たけどガチでカッコよかったです。来年は友達たちも誘ってリアル参加したい!

  4. こういうイベント、うちの町でもやってほしいです。知らない人とも自然に話せる雰囲気って素敵だな。ネット越しでもワクワクしました。準備された皆さん、本当にお疲れ様でした。

  5. みんなが願い事を書いた天燈が夜空をふわっと漂う様子を想像しただけで、なんだか涙が出そうです。人と人との距離が近づくきっかけを作ってくれる、素晴らしいフェスだと思います。