町を包む“やさしさパレード” 検察・逮捕のかわりに感謝状が届く日

日本の地方商店街で、法服を着た裁判官や制服姿の警察官、地域住民たちが色とりどりのありがとう状を手渡すパレードの様子。 法と秩序
町の人々と法の担い手が一緒になって“やさしさパレード”を盛り上げています。

法律と言えば時に冷たく、淡々としたイメージがつきまといがちですが、そんな常識を覆す温かな出来事が、日本海側のある町で話題を呼んでいます。なんとこの町では、検察官や警察官、裁判所職員が住民たちと一緒に“やさしさパレード”を開催。逮捕状や召喚状のかわりに、日々の小さな善行に感謝の気持ちを込めた「ありがとう状」が手渡されたのです。

発端は、検察官の湯地野草太(ゆちの・そうた)氏(43)が通勤路で出会った中学生の芳賀瑞月さん(14)との会話でした。芳賀さんは落ちていた財布を交番に届けようと自転車を押していたところ、湯地野氏が声をかけたのだそうです。そのさりげない正直な行いに感銘を受けた湯地野氏は、「犯罪を摘発するだけでなく、善い行いに光を当てたい」と強く感じたと語ります。

そこで町の検察、警察、そして地方裁判所が合同で企画したのがこの“やさしさパレード”です。住民へは事前に、最近見かけた“善い行い”を匿名で投票するよう呼びかけ。例えば、毎朝ごみ捨て場をきれいにしてくれる主婦の恩田椿子さん(39)、迷子になった子猫を探して交番まで連れて行った小学生の梁川大輔くん(8)、町内の公園で落ち葉掃きのボランティアを続ける老人会の三宅良治さん(72)ら、多くの人が候補としてあがりました。

パレード当日、法服姿の裁判官や制服姿の警察官ら約30人が、楽器隊や町の幼稚園児とともに商店街を練り歩きます。沿道の人々に色とりどりの“ありがとう状”を手渡し、受け取った人はもちろん、見ていた人々の頬まで自然とほころびました。記載された内容は「困っている人に声をかけてくれたあなたへ」「夜明け前に新聞配達、おつかれさま!」といった、一人ひとりへのささやかな感謝ばかり。杉田さくら裁判官(51)は「判決を書く時よりもずっと緊張しましたが、皆さんの笑顔に救われました」と語っています。

SNSには「逮捕じゃなくて、ありがとう状が届くなんて最高!」「この町に生まれてよかった」と喜びの声が溢れました。法律の立場から見ても、社会の善意や優しさを称える動きは犯罪抑止にもつながると、法学者の原野大信教授(明治田大学)も太鼓判を押します。今後は近隣市町村でも実施が検討されており、町の“やさしさパレード”が日本中にやわらかな波紋を広げていきそうです。

コメント

  1. こんな温かいイベントがある町、素敵ですね。子どもたちにも「良いことをするとちゃんと見てくれてる人がいる」って伝えられるのが嬉しいです。息子にも優しい行いを大切にしてほしいなあ。

  2. 私も町内の公園掃除をしてますが、こうやって感謝してもらえると本当に励みになります。長生きしてよかったと思えるニュースです。ぜひうちの町でもやってほしいですね。

  3. ニュース見て心がほんわかしました!こんなの映画の話みたいだけど、現実にもこういう優しさの輪が広まったら、毎日もっと明るくなりそう。私も誰かのありがとう状もらえるように頑張りたい!

  4. いや〜、警察官や裁判官て怖いイメージだったけど、やっぱり人間味があるというか、こういう一面が見れると親しみ持てますね。うちのお店にもぜひパレード来てほしいです(笑)

  5. 逮捕状じゃなくてありがとう状、なんだか時代が優しさに向かって変わっていく兆しを感じます。毎日当たり前にやってることも誰かが見てくれてると知れて、私もこれから頑張れそう。