早朝の空気がすがすがしい和歌山県のとある丘の町――この秋、住民みんながちょっとした冒険者になった。その名も“フレックステリア健康宝探し”。地域の公園や坂道、神社の石段など、町全体が巨大な健康促進ジムへと変身したのだ。きっかけは、町内会の青年会長を務めるケンジ・シノハラさん(37)が、「みんなで楽しく健康になれたら」と考えた一枚の手書きマップだった。
フレックステリアとは、町の外(exterior)空間すべてを“柔軟(flexible)”に活用し、自由に身体を動かす新発想の健康法。今回のイベントでは、地域の誰もが参加できる『健康トレジャーマップ』が制作され、春山公園のベンチでのインターバルトレーニングや、古い神社の100段階段を使った有酸素運動、水辺エリアの休憩所での水分補給スポットが点在した。さらに、各ポイントには“宝箱”として、健康にちなんだメッセージやエッセンシャルオイル付きメダル、禁煙応援シールなどが隠されている仕掛けも。
初日の朝、70歳の元教師ミチコ・タチバナさんは孫と手を取り、意気揚々とスタート地点へ。「こうやって孫と一緒に運動できるのがうれしい」と語り、孫のハルトくん(9)は「探検みたいでワクワクする!」と目を輝かせた。町の自転車修理店主タダシ・ヨシムラさん(54)は「普段は車移動ばかりだけど、これなら自然と歩数が増えてジムに通うより楽しいね」と笑顔をみせた。
見どころは、2キロの散策コースにランダム設置された“ひみつの健康宝箱”。SNSでも〈#フレックステリアみっけ〉の投稿が急増し、「ラベンダーのエッセンシャルオイルが入ってた!癒される」「水分補給ポイントのスタッフがやさしく声かけしてくれて感激」など感想が飛び交った。主催側は町内の薬剤師シズカ・ナカムラさん(45)と連携し、煙草を持ち歩いてきた参加者にはやんわりと「禁煙チャレンジカード」を渡すサプライズも。「町ぐるみの応援が背中を押してくれる」と感動の声が続出した。
最終日には参加者全員が健康宝くじを引いたり、医師による簡易健康チェックがおこなわれた。ケンジさんは「おじいちゃんおばあちゃんから子供まで本当にたくさんの笑顔が見られてうれしい。来年は町外からの参加も大歓迎です!」と語った。町医者セイゴ・モリモト先生(62)は「フレックステリアは地域のつながりそのもの。どこでも人と運動、そして思いやりが交差する。健康の一歩は、楽しい気持ちから始まります」と太鼓判を押した。今も町には、宝箱探しの旗が誇らしくはためいている。
コメント
小学生の娘と一緒に読みました!子どもとお散歩がてら宝探しできたら絶対楽しそうだと思います。運動嫌いの親子でもこれなら続きそう。うちの町でもやってほしいなぁ。
ワシも年を取ると体を動かすのが億劫になるが、孫と一緒なら楽しんで歩けそうですな。こういうアイデアには拍手じゃ!近所でも話題になったらええなぁ。
こういう地域のイベント、最近減ってるから逆に新鮮。SNSと連動してると若い人も参加しやすそう。友達と健康宝探し、普通にやってみたいw
毎朝ウォーキングしている身としては、町のどこかに宝箱があるって思っただけで気分がワクワクします。知らないうちににこやかに挨拶する人が増えそうで素敵ですね。
タダシさんのお店の前も健康ポイントだったんですね!あの辺、結構坂道きついけど、みんな笑って歩いてるの見て元気もらいました。町が一体になる感じいいなぁ。