青森県・恐山のふもとにある小さな町、燈影町(とうえいまち)が、今、全国のコスプレファンの間で大きな注目を集めている。きっかけは、地元の高齢者たちと若いコスプレイヤーたちが一緒に開催した、町全体を使った心温まるコスプレイベントだった。
主催の中心となったのは、コスプレ歴11年目の田端陽斗さん(28)と、燈影町老人会メンバーの松岡初枝さん(74)。ある日、陽斗さんが推しキャラの男装メイク講座を町の公民館で開いたことから、不思議な縁が生まれた。「顔が変わるって、こんなに楽しいのね」と初枝さんが微笑むと、その場にいた参加者全員が、一瞬で距離を縮めていったという。
70代・80代の女性たちが、陽斗さんの指導でアニメの推しキャラ風の男装メイクや衣装を体験。最初は照れていたものの、「昔の歌舞伎役者さんみたい」「若いころの淡い恋心を思い出す」と、次第に盛り上がりを見せた。やがて「どうせなら、町を丸ごとコスプレ会場にしてみよう!」と声が上がり、町おこしイベントへと発展していった。
イベント当日は、商店街や神社の参道、公園のベンチまでもが“撮影スポット”に早変わり。おばあちゃんたちが推しの悪役騎士や名探偵に扮し、子どもたちと一緒に『推しキャラ俳句バトル』を繰り広げる場面も。SNSでは“#おばあちゃん男装隊”がトレンド入りし、「私の推しが町でお茶してるなんて!」「この町、毎日が青春だ」の声があふれた。
地元のパン屋では“推しキャラメイクパン”が誕生、味はそれぞれの衣装や髪色をイメージ。町の小学生たちも自作のマントや帽子で参戦し、世代や立場を越えた新しい“推し活”文化が町に根付いた。陽斗さんは「コスプレは自己表現だけど、誰かの“小さな勇気”を応援する魔法でもあるんです」とほほ笑む。今では燈影町の秋の風物詩として、この幸せな仮装の日は毎年恒例行事になりつつある。
町外からやって来た観光客の中には「ここでおばあちゃんに推しキャラメイクしてもらった!」と涙ぐむ人も。松岡さんは「若い子たちの夢に、ちょっとだけお手伝いできてうれしい。私たちも新しい友だちができて、毎日が本当に楽しいんですよ」と語る。燈影町の小さな革命は、世代も地域も超えて、あたたかな笑顔の輪を広げている。
コメント
小学生の息子と一緒に読んでほっこりしました!年齢関係なく一緒に楽しめるイベント、最高ですね。燈影町さんのような町が近くにあったら、うちもぜひ参加したいです♪
昔はお祭りや盆踊りが町の楽しみでしたが、今の若い方と一緒にこんな形で楽しむのも素敵だなと思いました。ワシも推しキャラ…探してみようかな。
え、めちゃくちゃアツい町おこし!おばあちゃん達が男装キャラになって俳句バトルとか、絶対楽しいでしょ!来年こそ現地参戦したいです!
うちの近所でもこういうイベントやったら、きっとみんな笑顔になれそう。おばあちゃんたちの優しさとチャレンジ精神に心が温かくなりました。
SNSで見て気になってましたが、こんな裏話があったんですね!推し活って若い子のものだと思ってたけど、世代を超えて楽しめるんだなと感心しました。パンも美味しそうです♪