新潟県南部の静かな町・菱田町で、この秋“防災”が家族の温かな交流を呼び起こしている。きっかけは小学4年生の若葉心花(わかばここな)さん(10)が始めた「ハザードマップ夕食会」。家族の防災意識と絆を同時に深めるユニークな取り組みが、SNSでも話題となっている。
キッチンに並ぶ手作りの料理、その中央には地元のハザードマップをカラフルなイラストで模した大きな紙。その上に、小さな磁石や手作りアイコンがちょこん。心花さんは家族4人で食卓を囲む際、自作のマップを使って「避難所まで家族で何分かかる?」「この道は水没しそう?」などをクイズにして楽しむようになった。たまたま祖父の誕生日会にこの遊びを持ち込んだところ、「これは生きる知恵や。みんなで試そう」と大評判に。
心花さんいわく、「学校で防災カードを作ったけど、家族でちゃんと話すチャンスがなかったので、楽しくやりたいなと思いました」。すると、ご両親も次第に夢中になり始め、今では月1回「ハザードマップ夕食会」が恒例行事に。寡黙だった兄・道生(13)も「いざという時に誰が何を持って出るか、家族で決めておくのは安心」と積極的に意見交換するようになったそうだ。
この活動はご近所にも広がり、町内会から依頼が殺到。心花さんの手書きリーフレットを真似た「ファミリー防災会議セット」が無料配布され、郵便局やスーパーにも設置されている。集会所では家族同士が手作り救急セットの中身を見せ合ったり、各自の非常用持ち出し品に貼る“オリジナル家族シール”を交換する親子も。この春から、町の50戸以上が月1回の「ハザードマップ夕食会」に参加しているという。
「家族で顔を合わせて防災を話すことが、自然と家族会議にもなって、日常の小さな悩みも相談できるようになりました」と母・若葉静恵さん。SNSでは「子ども主導の防災活動が素敵」「ウチも今夜やってみます」などの声で賑わっている。防災意識が、ほっこりとした食卓から育つ。次はどんな優しいアイディアが生まれるのか、心花さん一家から目が離せない。
コメント
心花ちゃん、本当に素敵な発案ですね!うちも小学生の子がいるので、ぜひ今晩から夕食でやってみようと思いました。仲良し家族の様子にも心が温かくなりました。
いや~、わしらの時代には考えられん取り組みじゃ。孫と一緒に地図を見ながら話せるのは嬉しいことですな。町が一つになれるニュース、珍しい!
こういう形で防災を学べるなんて新鮮です!自分も学校の友達とグループでやってみたいなあと思いました。楽しいアイデアをありがとうございます!
記事を読んで、日頃ご近所付き合いが薄れていたけど、こういうイベントがあると自然と人が集まりますね。次回の夕食会、うちも家族で参加します!心花さんありがとう。
普通の防災訓練ってなんとなく堅苦しい印象だけど、これは食卓の笑顔と一緒に学べてすごくステキ。温かいニュースで朝から元気もらいました!