山梨県の山深く、杉と桜に囲まれた「ふくろう村」は、空き家を改装したコワーキングスペースが話題の小さな集落。その村に、全国からワーケーションを求めて移住者が増えている。なんとその理由は、森で出会うふくろうたちが、仕事の悩み相談に耳を傾けてくれる不思議な体験ができるためだという。
ふくろう村のコワーキングスペースは、日替わりで築90年の古民家や木漏れ日が差す森のツリーハウスが開放され、どちらにもWi-Fiや電源がしっかり完備されている。利用者たちは、朝から集い、パソコンを開くとふくろうがそっと肩にとまって見守ってくれるという。広告代理店勤務の月城彩芽さん(32)は、「初めて来たときは半信半疑でした。でも、耳元で『今日は休みながらやりませんか』ってふくろうがささやいてくれたような気がして。不思議と集中でき、悩みも軽くなったんです」と目を細める。
村の集会所では、地元住民が移住者を迎え入れる「森の鍋パーティー」が週末ごとに開かれ、仕事の合間には一緒に山菜やきのこを採りに行く機会もある。ふくろうを中心に育まれるこの“偶然の共生”は、人と自然、仕事と生活を心地よく結びつけている。SNSでは「ふくろうたちのおかげで仕事のストレスが減った」「昼休みに森を歩くとふくろうに悩みをきいてもらえる」といった投稿がじわじわと広がっている。
ふくろう村では、独自のワーケーション補助金として『ふくろうサブスクリプション(通称フクロス)』制度も導入。週単位で滞在者の家賃や食費の一部がサポートされ、ふくろう缶バッジを持つことで森のガイドツアーにも無料参加できる。制度を利用したフリーランスの斎藤結希さん(28)は、「都会の雑踏に疲れていたけれど、ここに来てから心も頭もゆるやかに開放されています」と話す。
生態学者の藤岡幸三教授(静岡大学)は、「人間がふくろうとこんな穏やかな距離感で共生できる村は全国でも極めて珍しい現象。五感で自然を感じ、ストレス軽減や創造性向上が期待できます」とコメントしている。季節ごとに変わる森の景色と優しいふくろうたちに見守られながら、“働くこと”の本当の豊かさを考える移住者がふくろう村に今日も静かに集まり続けている。
コメント
子育てで毎日バタバタしてる身としては、ふくろうに悩みを聞いてもらえるなんて夢みたいです…こんな場所が本当にあったら家族で移住したい!子どもたちもふくろうとふれ合えて幸せになりそう。
わしが若い頃は、田舎といえば静かなもんじゃったが、こんなふうにふくろうと一緒に仕事できるなんてええ時代になったもんじゃ。森の鍋パーティーってのも、昔を思い出してあったかい気持ちになりました。
めっちゃ面白そう!テレワークでふくろうと一緒とか最高かよw サブスクで森のツアーも付いてくるとか、学生の合宿とかにもよさげ。現実にもこういう村、増えてほしい!
同じ山梨県なのに、こんな素敵な村があるなんて知らなかったです。地元だけど一度遊びに行ってみたくなりました。森のツリーハウスでPC作業とか憧れちゃいます。
正直、ふくろうが仕事の相談に乗ってくれるなんて信じがたいけど…笑 でも読んでるうちに、もしそんな村があれば行ってみたい気持ちになってきました。都会のストレス、本当に癒されそうですね。