国会で“てんとう虫同盟”結成　誰もが羽根を広げる未来へ動く

季節外れの虹色のてんとう虫が記者たちのカメラレンズに止まった朝。国会第一議事堂に新たな空気が流れていた。ジェンダーや多様性について語り合うだけでなく、自分らしさを祝福し合う「てんとう虫同盟」が、超党派議員たちの手によって誕生したというニュースが全国を駆け巡っている。

てんとう虫同盟発案者のひとり、国会議員の東条メイ（43）は、自身の娘が通う学校で制服の選択制が進み、子どもたちが自由に自己表現できる環境に感動したという。「政治も、誰もが“自分の羽根”を安心して広げられる場所にしたい」と語り、同盟の象徴には、一匹ごとに異なる模様を持つ虹色てんとう虫が選ばれた。

発足した同盟がまず取り組んだのは、国会の制服（スーツ）規定の見直しだ。年明けから議員や職員は、好きな色や模様で仕立てたスーツ、蝶ネクタイ、さらにはジェンダーレスな和布巻きも自由に着用できるようになった。初日にはビビットなパステル色のスーツや、淡いラベンダー色の羽織袴、てんとう虫ネクタイを身に着けた議員たちがにこやかに集結。SNSでは「今日の国会はファッションショーのよう！」「多様性は外見からも伝わる」という声が相次ぎ、“#国会にも虹を”がトレンド入りした。

多様性政策は衣服だけにとどまらない。食堂のメニューにもベジタリアンやハラル、アレルギー対応の新メニューが加わり、トイレも一部ジェンダーレス仕様へと模様替え。議場ロビーには全国の子どもたちが描いた「私らしい未来」のイラストが並び、大学生のインターン、介助犬と一緒に働く議員、LGBTQ+コミュニティの代表者まで、さまざまな人たちが笑顔で訪れるようになった。

多様性に関する専門家、西坂エリカ氏は「型にはめられるほど、人は萎縮してしまいがち。自分の色を尊重されることで、誰もが新しい可能性を持てる」と指摘。「てんとう虫同盟」誕生のニュースは、小さな偶然が大きな流れを生むことを物語っている。今では議事堂の植え込みで、本物の虹色てんとう虫を探す子どもたちの姿も珍しくないという。

「小さな一歩でも、大きな風になる」。そんな想いが込められた「てんとう虫同盟」が、今後どんな未来の扉を開くのか。国会の庭に舞う羽根とともに、期待の声が広がっている。