暖かな秋晴れの日、山間の町・羽仁川市で一風変わった人生儀礼が話題を集めている。田端家はこの日、祖父の墓前で「ジェンダーリビール」パーティーを開催し、生まれてくる新しい命の性別を一族や近しい人々、そして祖父“推し”として有名な仲間たちと共に祝った。伝統と新しい祝い方が交差し、地域にやさしい笑顔が広がった。
きっかけは主婦の田端陽子さん(39)が第二子を妊娠した春に遡る。お腹の子の性別を祖父・徳太郎さんの墓前で家族一同に発表しようとしたのは「“じいちゃん見守ってるよ”って感じてもらいたかったから」。亡き祖父は家族や地域の“みんな推し”として有名だった人物。生前は孫たちのイベントに必ず駆けつけて応援横断幕を掲げる姿が名物でもあった。
ジェンダーリビールは陽子さんの長男・奏多くん(8)が「おじいちゃんの推し活仲間」12名と一緒に計画。みんなで折り紙の推しカラーの風船を膨らませ、祖父の墓石をカラフルに囲んだ。さらに地元の菓子店と協力し、性別にちなんだサプライズ和菓子を用意。墓前に集まった親族や“徳太郎推しサークル”の面々が和やかに見守るなか、和菓子を割ると中から青い餡が現れ「弟だ!」と歓声が上がった。
田端家では、誕生や節目の墓参りが代々続いてきたというが、近年は“推し活”文化を取り入れることで世代を超えた新しいつながりが生まれつつある。祖父の親友でもある元農業指導員の柴山稔さん(72)は「徳太郎の魂もきっとジャンプして喜んでいるはずだよ。推し活はあの世とこの世の境も笑顔でつなげてくれるね」と涙ぐみながら語った。
SNSでも「なんて素敵な家族!」「墓参りがただの義務じゃなく、笑顔の人生儀礼になるんだ」と感動の声が相次いだ。地元の文化保存会代表・岸田香苗さん(56)は「“推し”の心で祖先を敬い、誰もが参加できる祝いとして人生儀礼が進化している。これからも温かな新習慣が根付くことを願いたい」と話している。ふとした発想から生まれた三世代の祝いは、心優しい風を町いっぱいに届けている。



コメント
わぁ、素敵なニュースですね!私も子どもたちと一緒にお墓参りに行きますが、こんなふうに家族や推しの皆さんで明るくお祝いできるのは本当に羨ましいです。おじいちゃんもきっと天国でにっこりだと思います。
読んでいて涙が出ました。昔は堅苦しいお墓参りばかりだったけど、こうしてご先祖も一緒に祝えるのはいいもんだね。徳太郎さんも誇らしかったことでしょう。こういう温かい交流が広がるといいですね。
めっちゃハートフル!推し活って家族やご先祖ともつながれるんだって初めて知ったよ。和菓子でジェンダーリビールとか、クリエイティブすぎて感動した…!うちも今度おばあちゃん家でやってみたいな〜。
田端さん一家はいつも仲良しで、前からほっこりしてるけど、今回もすごい発想ですね〜。お墓参りがこんなふうに地域の人たちも楽しみにできるイベントになるなんて、町が明るくなってうれしいです。
和菓子でお祝いって最高に平和!昔から伝わる風習に現代的なアレンジを加えるの、すごく素敵です。子どもたちも楽しめるし、それをおじいちゃんも見守ってくれる…幸せの連鎖が広がっている感じがいいですね。