小さな奇跡が、ごく普通の町の一角から始まった。共働き夫婦の山崎コウジさん(37)とミホさん(35)、そして小学2年生の長男タカシくん(8)は、家事や子育てに何かと追われる毎日のなか、家族の“時間”を大切にしようと一風変わった挑戦をした。その舞台となったのは、今や全国の家庭に馴染みつつある“共感型子育てアプリ”だった。
山崎家が利用するのは、家族が予定やタスクのみならず、感情や今日のうれしいことをログすることもできるアプリ『コタツネ』。ある週末、タカシくんが「きのううれしかったこと」を記録した。ミホさんがふとアプリを見ると、“パパに肩車してもらった!”と添えられたイラストが。これをきっかけに家族で、それぞれの小さな幸せ瞬間をリビングの白い壁にカラーペイントで描くプロジェクトが始まった。
最初は控えめに描き始めた家族の幸せ絵日記だったが、タカシくんの斬新な虹と、ミホさんの優しい言葉を重ねるうちに、山崎家のリビングはカラフルな思い出であふれていった。近所に住むシニア夫婦の三山さん(68・65)も散歩がてら壁画を見に立ち寄り、「私たちも孫の落書きで壁を彩っていた頃を思い出した」と笑顔を見せる。やがて“コタツネ家の虹色リビング”は口コミで広まり、町内会通信でも紹介される事態に。
その反響を受け、町内のファミリーテック開発サークル『ポケットファミリーラボ』が、住民の家庭にも“幸せ画”を気軽にシェアできるデジタル展示会を企画。家庭ごとの“今月の一枚”を匿名で投稿するシステムがアプリ内に組み込まれ、配信された作品は地域広報板の電子インクディスプレイに、毎日1家族ずつ表示されるようになった。朝の通勤・通学ラッシュ時、その前で足を止めて微笑む人も増えた。
SNS上では『見知らぬ家族のほっこり絵日記に涙した』『同じ年頃の子どもがいて共感!』『町がやさしい空気に包まれている気がする』と投稿が続々と寄せられている。専門家の富田社会福祉士も「育児や家事の“頑張り”を可視化し、地域で讃え合う仕組みは孤立感の打破や前向きな子育て・しつけへの励みになる」と話す。山崎家の小さな絵から始まった虹色の輪は、町に静かな優しさを広げている。



コメント
うちも毎日バタバタですが、ちょっとした幸せを家族で言葉にするのって大事ですね。コタツネのアイデア、真似したくなっちゃいました!タカシくんの虹、とっても可愛いです。
記事を読んで、ほっこりしました。昔、孫と一緒に壁に絵を描いたことを思い出します。町全体がこうやって温かくなるのは素敵ですね。応援しています。
正直ちょっと恥ずかしいなと思うけど、誰かの幸せの瞬間を見ると、不思議と元気でる気がします。つい通学でディスプレイに足止めて見ちゃいます。町のみんな優しくなりそう。
こういうの、夫婦二人でもやってみたいな〜なんて思っちゃいました。日々の小さな幸せを記録するだけで、毎日がもっと鮮やかになりそう!
電子インクディスプレイで家族の作品が見られるなんて、町が一つになった感じがして素敵ですね。これからも温かいニュースを届けてほしいです!