かつてないほど静かな朝—北関東の山中にある小さな村・瑞樹谷では、この秋ふしぎな出来事が話題を呼んでいる。竹林や小川沿いに心地よいハミングが響き、村人も来訪者も足を止めて耳を澄ます。発端は、瑞樹谷小学校5年生・渡部理沙(11)の「森のみんなで環境のことを考えたい」という素直なひと言だった。
理沙の呼びかけに、人間だけでなく森に暮らす動物たちまでもがこたえた。毎朝7時になると、タヌキの夏彦(タヌキ、推定7歳)、フクロウのナナミ(フクロウ、推定3歳)、さらには思い思いの虫たちが自然発生的に集まり、木漏れ日の下で輪になって歌う『エコ合唱団』が誕生。合唱曲は理沙の手作りで、「もう炭を燃やさないよ」「森の落ち葉であたたまろう」など、Ecoでほっこりなメッセージが人気だ。
村民たちは合唱団の存在に気付き、自然と行動が変わりはじめた。ウエダ誠一さん(自営業/62)は、山道のごみ拾いを自主的に始めたり、寺西サチさん(主婦/44)は家庭の生ごみをコンポストに。最近では、動物たちを模した再利用グッズも子どもたちの手で作られ、市場でお祭りのように販売される日も増えた。
この“森の合唱”はSNSで話題となり、都心からエコツーリズムを目的に訪れる人も急増。「動物と人間が共に歌い、共に地球のことを考える場所なんて他にありません」とエコツアーガイドの滝川慎一(28)は語る。訪問者のなかには、森で聞いた歌を出発点に自宅でアップサイクルを始める家族や、外から持ち帰った苗木を育てる人も。
環境学者の神田涼子さん(47)は「共感や参加が広がることこそ、生物多様性や脱炭素社会への第一歩です。このような自然と人、人と動物のコミュニケーションが地域の知恵や持続可能な社会づくりに結びついていくはず」と期待を寄せている。瑞樹谷の小さな歌声は、今、静かに世界を包み始めている。



コメント
小1の娘と一緒に記事を読みました。森のどうぶつたちと子どもたちが合唱なんて、絵本みたいで素敵ですね!うちも、できることからゴミを減らしてみようと思います。朝のハミング、聴きに行ってみたくなりました。
昔はもっと自然と仲良くしてた気がします。こういう活動を若い人たちが始めてくれるのは本当に嬉しいですね。合唱団の朝の風景、まるで童話のようでほっとします。
瑞樹谷のみんな、めっちゃ楽しそう!動物と一緒に歌ってエコな活動とか、マジうらやましい。うちの学校にも森があったら、絶対やってみたい~!
このエコ合唱団、毎朝音がとても和やかで、家族みんなで耳を澄ませています。理沙ちゃんの行動力、見習いたいです。また市場で再利用グッズを買うのも、週末の楽しみになりました。
SNSで流れてきて気になっていました。忙しい日常の中で、森の歌声や子どもたちの取り組みを知ると、とても優しい気持ちになります。今度、家でもコンポスト使い始めてみますね!