消えたボカロ名曲の謎を解け――ご当地YouTuber発“音楽リアル脱出ゲーム”が旋風

駅前広場の特設スペースで、カラフルな猫型フィギュアやジオラマに囲まれて子どもから大人まで多世代が集まり、謎めいた楽譜を手に楽しげに交流する様子。 ポップカルチャートピックス
ボカロ楽曲の謎をめぐるリアル脱出ゲームに笑顔が集まる駅前の特設会場。

今月、関東地方の駅前広場で突如、色とりどりの小型フィギュアが並ぶ特設スペースが登場し、SNSでは「不思議だけどワクワクする」と話題となっている。この場所で開催されたのは、ご当地YouTuberの増川トオル(24)が企画した、ボカロ楽曲の謎を市民みんなで解き明かす“音楽リアル脱出ゲーム”だった。

ことの発端は、数週間前に市内の大型ショッピングモールで突然流れた、不思議な無題のボカロ曲。音楽好きの増川さんが偶然耳にしたこの曲は、調べてもどこにも情報が存在せず「まるで町にだけ現れる幻のメロディ」とSNSで拡散されていった。増川さんは「音楽の力で人と街がもっとつながったら」と、謎解き型のイベントを思いつく。

さっそく仲間のクリエイターや地元の学生と協力し、市公認の特設会場を設置。カラフルな猫型フィギュアや街をモチーフにしたジオラマが配され、そこには楽譜の断片や謎めいた歌詞カードが隠されている。訪れた人はヒントを集め、ボカロ曲の“失われたタイトル”を推理する仕組みで、小さな子どもからお年寄りまでが夢中で参加した。

会場にはボーカロイド音声合成を学ぶ高校生デュオ「ミキ&クル」が演奏を披露し、さらにアマチュア音楽サークルや同人作家らも自作の“幻曲”を披露。コミックマーケット常連のコスプレイヤー椎名あおば(29)は「普段はオタク趣味を分かり合える場が少ないけど、ここではいろんな世代が自然に会話できてうれしい」と笑顔を見せた。

謎解きのクライマックスでは、なぜか町中のカフェや書店からも“幻のメロディ”が流れはじめ、TwitterやYouTubeライブで「今ここにも!」「うちの店にも流れ始めた!」と実況投稿が相次ぐ現象に。最終的に、会場に集まった全員でパートごとにハミングし合うことで、曲名は「まちのこもれび」と発表された。音楽を通じて人と人の心にぽっと灯りがともる――。町のSNSには「なんだか世界がちょっと優しくなった気がする」「知らない人たちと一緒に歌えて、本当にいい1日だった」と感謝の声があふれた。

コメント

  1. 小学生の娘と一緒に参加しました!普段はゲームばかりの子がこんなに夢中で街を歩き回って…帰り道も『また行きたい!』って嬉しそうでした。トオルさんたち主催の皆さん、素敵な体験をありがとうございました。

  2. 最近の若い人たちがやってる音楽やボカロにはさっぱりついていけんと思っとったが、孫に連れられて参加してみたら、曲をハミングしながら皆で謎を解くのが面白くてなあ。なんだか昔の盆踊りを思い出して、胸があったかくなったよ。

  3. ミキ&クルのファンです!地元のイベントで直に演奏を聴けて本当にうれしかったし、参加者でわいわい盛り上がれる雰囲気が最高でした。こういう企画、学校でもやってほしいな~!

  4. 店内にもあの“幻のメロディ”が流れてきて、思わずスタッフみんなで耳を澄ませてました。普段は静かなうちの店にもイベント帰りの人が立ち寄って、ちょっとしたお祭り気分。街全体がやさしく包まれる感じ、素敵でした。

  5. 年齢も趣味も違うみんなと、自然と『どこのパート見つけた?』みたいな会話が生まれて、すごく楽しくて新鮮!オタク趣味って閉じこもりがちだけど、こんなイベントなら誰でも仲間になれて最高です♪