今年の春、紀伊半島の南端にある小さな町・明月町で、経済界にさわやかな話題が広がった。町役場と地元事業者の若手従業員による賃上げ・物価交渉が、満開の桜の下でにぎやかに行われたというのだ。新入社員を含む参加者の笑顔溢れる様子がSNSで拡散し、「こんな交渉が全国に広がれば…」と多くの共感を呼んでいる。
このユニークな交渉の舞台は、町内で最も美しいと言われる桜並木の公園。四月上旬、明月町商事で今年新たに勤め始めた矢野咲良さん(22)や、古民家カフェ「星読み館」スタッフの滝沢航平さん(19)ら新社会人を中心に、地元の中小事業者50人以上が集まった。事の発端は、咲良さんがふと口にした『円安で教科書が値上がりして、ちょっとお財布がさみしいです』という何気ないひと言だった。
町役場の産業担当・椎名誠一さん(48)は、「せっかくの春。堅苦しい会議室でなく、桜の下で未来の話をしてみませんか」と若者たちに提案。桜の開花を祝う『春風会議』の開催が決まった。お花見シートの上、各事業所の代表が手作り弁当や和菓子を持ち寄り、賃上げやベースアップについてじっくり本音で語り合ったという。
驚くべきは、その結果だ。町内のほぼ全飲食店や商店が、初任給を町内平均で月7,000円引き上げ、さらに物価高対応として交通費やまかないを大盤振る舞い。カフェ「星読み館」では、手作りケーキ1カットの原材料費上昇を従業員全員で試食しながら議論。「みんなでおいしい工夫を出し合おう」と、味も価格も満足度もアップする一石三鳥の新メニューが続々誕生したという。
SNSでは、「#春風ベースアップ」「#桜の下の賃上げ会議」などのタグがトレンド入り。参加した大学生の木内真帆さん(21)は、『机を囲む会議より心が躍る。皆で食べて笑って、誰もが少しずつ幸せになる春です』と発信し数千件のいいねが寄せられた。専門家も『小さな町のささやかな挑戦が、経済とコミュニケーションに新風をもたらした好例』と評価している。
咲良さんは「来年はもっと多くの人と、違う季節の木の下でもっと夢を語りたい」と語る。桜の花びらが町を舞った日、優しい春風のようなベースアップが、明月町の誰もにほのかな安心をもたらした。



コメント
子育て中の身として、こういう明るいニュースは本当に嬉しいです。新社会人の方たちがのびのび話せる雰囲気、うちの子たちにも味わってほしいなと思いました。賃上げの話が笑顔でできる町、素敵ですね!
昔はこうやって、外でのんびり話しながら何でも決めたものですよ。最近の若い人も、こんな形で町を良くしようとしてくれて頼もしいですなあ。お菓子持参なのも可愛らしい。懐かしい気分になりました。
何これ、最高すぎる!会議室でビビりながら話すより、桜の下でお弁当食べながら本音で話した方が絶対良いアイデア出るよね。SNSで流れてきてほっこりしました〜。うちの大学でもやってほしい…!
明月町って、やっぱりあったかい町だなぁと感じました。近所のカフェも新しいケーキが登場して嬉しい限りです。みんなで協力していい方向に変わっていく、そんな町の日常が誇らしいです。
こういうニュースを見ると心が和らぎます。普段は物価高にちょっと疲れ気味でしたが、明月町の皆さんの前向きな姿に元気をもらいました!働く人も住む人も笑顔になれるって本当に素敵ですね。