春の桜、夏の花火、秋の紅葉、冬の餅つき――そんな日本の年中行事に、思わぬ新たな主役が登場したとしてSNSを中心に大きな注目を集めているのが、“もちねこ大行進”だ。全国各地で開催された伝統的なお祭りに、手作りの祭り衣装や仮装を身につけた猫たちが次々と現れ、地域の人々と交流する心温まる風景が広がっている。
今年の春、岩手県の事島市で行われた花見大会の会場に、浴衣姿の猫たちが突如現れたのがきっかけだった。地元の小学校教師の古谷美彩さん(33)は「はじめはぬいぐるみかと思ったのですが、ゆっくり歩いてくる様子や、子どもたちにすり寄る仕草を見て本物だとわかり、会場中が笑顔になりました」と語る。浴衣に桜の刺繍や花飾りをつけた猫たちは来場者と一緒に写真を撮ったり、お重のお弁当の傍らでお行儀よく座ったりして、その様子がSNSで拡散された。
やがて“もちねこ”と呼ばれる猫たちは、夏には花火大会の打ち上げ前にカラフルな浴衣やうちわをまとって登場し、子どもたちには特製のねこ用福袋が配られるなど、行事の新たな恒例となった。秋の紅葉狩りでは、葉っぱやどんぐりをあしらったハロウィン仮装で登場し、福井県の秋祭りでは餅つきイベントに飛び入り参加。参加した八坂道夫さん(58)は「猫たちが餅つきの杵代わりにしっぽでぺったんぺったん。みんな大爆笑でした」と述べている。
特に、三重県豊郷町のひな祭りイベントでは、猫たちがひな人形に扮して、色鮮やかな十二単や男子の装束をまとい、和菓子と一緒にお祝い提灯のまわりをパレードする姿が多くの親子連れの心をつかんだ。主催した町内会の代表・東山由貴子さん(45)は「コロナ禍が明けて久々の実施でしたが、猫たちをきっかけに普段より倍以上の家族連れが集まりました」と語り、会場は終始笑顔と歓声に包まれていたという。
SNSでは「もちねこ、今日も浴衣が似合いすぎ」「紅葉と猫、癒やししかない」「餅つきで猫に並ぶ町民、最高」といった声が後を絶たない。動物行動学者の高倉蓮博士によれば、「地域の行事や季節と動物のふれあいが自然に融合することで、世代や立場を超えた交流が生まれる好例」と分析。「もちねこ大行進」は、これからも日本各地の行事にやさしい彩りを加え、人と人、人と動物の絆を深めていくことだろう。


コメント
子育て中の身としては、こんな素敵なイベントが地元でもあったら子どもたちと絶対行きたいです!浴衣姿の猫ちゃんたちに癒やされて、家族みんなで笑顔になれる時間って本当に大事ですよね。また写真がたくさん見たいです。
いやあ、最近の祭りはにぎやかでええのう。猫たちが杵のかわりにしっぽで餅つきとは、考えただけで顔がほころびます。むかしは動物と人との距離がもっと近かった気がするが、こういう暖かい風景はいつまでも続いてほしいですな。
もちねこって発想、最高に推せる!SNSで写真みてからずっと癒やされてます。来年こそ地元でもやってほしい…。友達と浴衣猫の行進、絶対見に行くから!!
豊郷町のひな祭り、近くなので実際に見に行きました。猫ちゃんたちの細かい衣装のこだわりにびっくり!知らない親子とも自然と会話がはずんで、こういう温かいふれあい、これからも大事にしたいなと思います。
もちねこ大行進、ほんと現実にもやってほしい…と思ったらフィクションなんですね(笑)それでも、こんな夢のあるニュースは日々の疲れが吹き飛びます。ハッピーな気持ちをありがとう!