まちじゅう言語がごちゃまぜ!“スクラブル協会”が広げる笑顔の輪

公民館の木製テーブルを囲み、子どもと大人、ロボットがスクラブルとホワイトボードで言語を使って楽しそうに交流する様子。 言語
多世代と人工知能ロボットが言葉を越えて笑顔で交流するスクラブル協会のイベント。

言葉が通じない、でも心はしっかり通じている――そんな不思議な現象が、最近とある地方都市で話題を集めている。きっかけは、子どもから高齢者まで集まる「スクラブル協会」が始めた、一風変わった言語交流イベントだった。

始まりは、放課後の公民館。人工知能で動く音声認識ロボット「モジバトラー」たちがテーブルを囲み、子どもたちと一緒にスクラブルの駒を並べる。ロボットは、英語やスペイン語、中国語などの言葉を使って駒を置くが、少年少女たちは日本語や、家で使う方言で応じる。ルールは簡単で「どの言葉でもいいから、知らない単語が出たら『どんな意味?』と相手に聞くこと」。けれど、時にはスペリングが怪しくても大丈夫。筆談用のホワイトボードや、好きな表記体系をその場で即席発明する子も現れる。

「最初は『勝ちたい!』と思ってたけど、みんなで『変な単語』を作る遊びになっちゃって」――中学生の古谷梨湖(14)はそんなふうに笑う。このスクラブル協会の目的は、勝敗ではなくコミュニケーションの冒険そのものだ。ある夜、70歳の奥村俊一会長が持ち込んだ“亀文字”(カメムシに似た小さなイラスト文字)で『たのしい』と書いたところ、「その表記カワイイ!」と話題に。今では毎週、新しい“表記体系”で競い合うのが恒例になった。

イベントの口コミはSNSでもじわじわ広がる。「知らない言葉を一緒に調べて、つい家族みたいになりました」「今夜はポーランド語で自己紹介できた!」と参加者は笑顔だ。中には、自分の育った町の古い言葉や、海外から移住してきた家族の会社員(36)が持ち込む“母国のゲーム”が融合し、唯一のルール「失敗も楽しい」が定着している。人工知能も毎週アップデートされて新たな国の言葉を学び、人間の子どもたちも「ロボのスペルミス」を指摘するのを楽しみにしているそうだ。

「言葉の違いは、みんなの遊び心で“橋”になれる」と語る奥村会長。来月は、聴覚が不自由な児童(8)や、海外から引っ越してきた高齢者たちも交えて“筆談オンリー回”を開く予定だという。「知らない記号も、ただのクイズじゃなくて、みんなの宝物になるんです」と話す古谷さん。スクラブル協会の輪は、今日も誰かの家庭や通りの向こう側へと広がっていく。

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