町を変えた朝市の奇跡──ゼロウェイストが生んだやさしい連鎖

柔らかな朝日が差し込む河川敷の朝市で、色とりどりの布バッグやカゴを持った人々が地元野菜を手渡しでやりとりしている様子。 エシカル消費
丹波市の河川敷で開催されるゼロウェイストの朝市の温かいひとコマです。

週末の朝、兵庫県丹波市の河川敷では、色とりどりの布バッグや手作りのカゴを手にした人たちが、柔らかな早朝の陽ざしの下に集っている。ここで開かれる「つばさエシカル朝市」が、町にやさしい変革をもたらしていると、うれしい話題になっている。

つばさエシカル朝市は、地元農家・手工芸作家・地域の学生ボランティアらが協力して開催しているユニークなマーケット。最大の特徴は、全員が“ゼロウェイスト”を合言葉にゴミを出さない仕組みを徹底していることだ。農家の杉浦陽太(41)はこう語る。「野菜の袋はお客さんの持参した容器に直接入れてお渡しします。余った葉っぱも“うさぎ牧場”の飼料に回してリサイクルしています」朝市には毎回、地元の小学3年生たちが「フードレスキュー隊」となって、規格外野菜やパンの余りを最後まで売り切るべく元気に呼び込みをする光景も定番となった。

この朝市が始まったきっかけは、不登校気味だった地元中学生・海崎夢美(13)が、ふとSNSで見かけた「食べ物を捨てずに分け合う町」の動画に心を動かされたこと。「自分でも何かできるかも」と思った夢美は、町の人たちに呼びかけ、最初は小さな物々交換会としてスタートした。やがて、高齢者の一人暮らし家庭が「少量ずつ買えて助かる」と喜びの声を上げたり、町外から観光客が「帰り道で食べられるサイズのアップサイクルマフィン」を絶賛したりと、共感の輪がゆっくりと広がっていった。

この取り組みは、やがて町内のカフェや花屋にも波及した。「エシカルジュエリー作家」の田嶋和子(58)は、ジュエリー制作時に余った端材をブローチにアップサイクルし、カフェで展示。「美しいだけでなく、やさしい物語の詰まったアクセサリー」とSNSでも評判に。高校の家庭科部は「地産地消給食プロジェクト」と連動し、余り野菜で週替りスープを作るようになった。町の祭りでは、プラスチックカップの代わりに無料レンタルの陶器を使うことで、イベント後のごみもぐっと減った。

この町の変化について、エコラベル普及協会の中洲貴太理事は「生活の小さな楽しさや人のつながりの中から、自然とエシカル消費が根付いていく好例。SNSの拡散もあり、他地域から学びに訪れる人が増えている」と語る。SNSでは「夢美ちゃんの呼びかけで人生が変わった」「朝市がきっかけで、子どもが自分から野菜を食べた」などのコメントが続々。町に生まれた温かな連鎖は今もなお、全国にやさしく波紋を広げている。

コメント

  1. 夢美ちゃんやフードレスキュー隊の小学生のみなさん、本当に素敵です!子どもが自分から野菜に興味を持つきっかけになって、うちの娘も朝市に行きたい!と話していました。こんな町が増えたらいいなぁと心から思います。

  2. 最近ひとり暮らしで食材を無駄にしがちでしたが、少量ずつ買える朝市は大変ありがたいものです。若い方々が始められた活動に元気をいただきました。私も何かできることを探したいです。

  3. 読みながら、なんだか自分も何かしたくなりました!エシカルとかゼロウェイストって難しそうに感じてましたが、身近な朝市から楽しく始められるんですね。イベントがあればお手伝いしてみたいです☺

  4. 近所の河川敷でやってた朝市がこんな風に町を変えるなんて思ってませんでした🐰先週たまたまアップサイクルマフィンを買って帰ったら、家族みんな笑顔になりました。また行きます!!

  5. こういう温かいつながりのある町に憧れます。SNSで見た時はフィクションかと思ったけど、現実だったら本当に引っ越したいレベル!人の優しさや自然と寄り添える暮らし、いいですね。