歴史の風がそよぐ奈良県の山間に、春夏秋冬を通して来訪者を優しく出迎える、ちょっと不思議な体験型文化遺産ツアーが誕生した。全国から観光客が集う「慈恩寺」は、神主たちが手作りの物語と茶菓子でもてなす“心でふれる現地体験”で話題を呼んでいる。
「文化遺産は眺めるだけのものではない」。そう語るのは神主の桂木斐斗(47)。今回立ち上げた“触れる文化遺産ツアー”では、訪れた人々が神主や巫女たちの案内で本殿の柱を撫でたり、鎮守の森の葉音に耳を傾けたり、昔ながらの和綴じ体験もできる。地元職人による特製の抹茶羊羹をふるまいながら、各季節の祭礼に込められたエピソードがそっと披露される。
不思議なことに、ツアーの最中には必ず“一つだけ小さな幸運”が舞い込むと評判だ。昨夏は、参拝客の山村彩美さん(主婦・32)が願い事を心の中で唱えた数分後、境内の椛の葉が風に乗って静かに膝元に舞い降りた。神主たちはそれを「ご縁のしるし」と名付け、色鉛筆で名前と日付を書いて小さなしおりに仕立て、記念に持ち帰ってもらっている。
SNSでもツアー体験の写真が次々話題に。「見上げた先に虹が架かった!」「神主さんが即興の短歌を贈ってくれた」などの報告が溢れ、現地の温かな雰囲気が日本各地に伝わっている。児童グループの参加では、巫女の高岸遥香(23)が折り紙で作る「季節のしるし」を全員に手渡し、笑顔の輪が広がった。
文化庁の山本康志専門員によれば「こうした現地体験型・対話型の観光は、地域コミュニティの誇りや未来の保存活動にも広がりを与える」とのこと。慈恩寺では今後も、ささやかなサプライズを大切にしながら、訪れる一人ひとりにそっと寄り添う季節のツアーを続けていくという。新緑の季節、またどんな“ご縁”が生まれるのか。多くの観光客が期待を胸に、山のふもとを訪れている。



コメント
素敵な取り組みですね!今度子どもたちと一緒に参加してみたいです。文化遺産にただ触れるだけじゃなくて、心で感じられるなんて、親としてもとてもありがたい体験になりそうです。
昔のような、ゆっくりとした時間の流れが感じられて良いですね。抹茶羊羹や葉っぱのしおりなんて、懐かしくて心が温まります。私もぜひ孫と参加したいです。
いやー、SNSで流れてきて気になってたけど、まさかこんなにほっこりしたツアーだったとは。季節のしるしとか絶対映えそうだし、今度友だち誘って行ってみよう!
うちの近くの慈恩寺さん、ますます人気ですね。地域の自慢になって嬉しいです。神主さんや巫女さんたちの温かなおもてなしが皆さんに伝わってるのが、読んでいてほっこりしました。
触れる文化遺産ツアーって新しい形ですごく共感します!歴史とかって難しそうに見えてたけど、こうやって体験型で案内してもらえたら、もっと身近に感じそう。私も参加してみたいな。