島根発・全国へ広がる“バーチャルランデー” ゴールの先に結ばれた友情の輪

島根県の古びた郵便局前でカラフルなリストバンドをつけたランナーたちがゴール後にスマートフォンで記念写真を撮っている光景。 バーチャルランニング
島根から全国へ、ランナーたちがバーチャルランデーで喜びを分かち合う瞬間です。

春の気配が感じられるある朝、島根県の古びた郵便局前に、カラフルなリストバンドをつけたランナーたちが集まりました。彼らの目的地は遠く離れた北海道や沖縄―けれど実際に走るのは、ご近所の田んぼ道や町の外れの歩道です。地元のバーチャルランニングコミュニティが企画した“みんなでつながるバーチャルランデー”が、今年は全国8,500人もの参加者を迎え、新たな友情と希望の風を運びました。

発起人は島根在住の郵便配達員・神杉真之介(29)。ひそかなランニング愛好家だった彼は、配達中に耳にした『ソーシャルディスタンスで会えない代わりに、心だけは近くにいたい』という高齢のご婦人たちの声に動かされました。数年前に始めた地域内のバーチャルチャレンジ企画が口コミで広がり、今年は北海道在住の主婦(63)から沖縄の高校生(17)まで、世代や地域を超えてバーチャルのゴールテープを目指す大規模なイベントとなりました。

参加者は各自のスマートフォンや万歩計アプリを使い、決められた1週間の間に5km、10km、ハーフマラソンなど好きな距離にチャレンジします。特徴は、“ゴール地点”でランニング終了の写真をSNSに投稿し、ハッシュタグで全国の誰かとペアになる仕組み。ペアになった見知らぬランナー同士はオンラインで拍手や感謝のメッセージを送り合い、ときには手紙やご当地名物を交換して新たな絆を育てています。

イベントの途中には、心温まるエピソードも生まれました。埼玉の小学生(11)が描いた応援イラストが岩手の農家(55)のスマホ画面へ届き、慣れないオンラインに戸惑っていたシニア層へも「一緒にゴールするってこんなに心強いことだったんだ」と喜びの声が相次ぎました。毎朝のラジオ体操で顔を合わせるだけだったご近所さん同士が、家から互いの走りを遠隔応援する姿も話題に。SNS上では『#ゴールの先に待ってた笑顔』の投稿が1万件を超えました。

専門家の宮中直斗・スポーツ心理学者は今回の広がりをこう分析します。「運動の結果だけでなく、人とつながる体験そのものが新しいチャレンジへのモチベーションとなっています。距離や年齢、障害の有無を問わず、みんなが自分の“ゴール”を見つけ、祝福し合える仕組みは、これからの社会にとって理想的なコミュニティの形です」。来年の開催を期待する声も多く、既に『来年こそ家族3世代でバーチャル完走したい!』という投稿も。島根発の温かなチャレンジが、全国に笑顔の輪を広げています。

コメント

  1. 子どもと一緒に記事を読みました。全国のお友達とバーチャルでつながれるって素敵ですね!来年は娘と参加してみたいです。心があったかくなりました。

  2. 私は足が少し悪くて遠くへは出歩けませんが、こんなバーチャルな取り組みなら楽しめそうですな。若い方や子どもさんとのご縁もうれしい限りです。運動も続けようと思いました。