山あいの町・雲見市の小さなベーカリーに、今朝も長い行列ができていた。ふんわりと湯気を立てて焼き上がるパンは、ただ美味しいだけではない。そのひみつは、店の裏手でホカホカと湧き上がる温泉水と“地熱パワー”にあった。
ベーカリー夢雲のオーナー、和泉航平さん(38)は、町おこしプロジェクトの一環として地熱発電を活用したパン釜を去年秋から導入した。「地元の温泉資源で何かできないか」と考えた矢先、地元工業高校の生徒たちが太陽光や地熱について調べていると知り、協力を申し出たのがはじまりだった。
試行錯誤を重ね、ついに温泉の蒸気を利用した地熱釜が完成。従来の電気やガスをまったく使わず、ESG投資の新しい潮流と呼び声高い“市民地熱ファンド”も立ち上がった。焼き上がりには町内中にふんわり甘いパンの香りが広がり、パンを手にした子どもたちが「温泉で焼いたパン、お日様みたい!」と笑いあう姿が定番になった。
毎月第一日曜には“希望の朝食会”が開かれる。この日は町の誰もが無料でパンを味わえ、地元の野菜やフルーツが持ち寄りのテーブルを彩る。昨冬に独居となった主婦・清田彩花さん(65)は「町の人と久しぶりにおしゃべりできた。パンのぬくもりに、心まで温まります」と笑顔をみせる。商店街の松田仁志さん(53)は、「パンや電力を“おすそ分け”するうち、本当に町がひとつになった気がする」と語る。
最近では大手エネルギー企業も視察に訪れ、電力自由化の先進例として全国的な話題に。SNSでも『#地熱パン』『#みんなの温泉エネルギー』といったハッシュタグで投稿が相次ぎ、「地方から未来の灯りがともっていく」「環境にやさしいだけじゃない。優しさも広がるパン屋さん」など温かい声が寄せられている。夢雲ベーカリーには今日も笑顔が絶えず、町に“希望の香り”が満ちている。



コメント
子どもたちと一緒に読みながら、こんなパン屋さんが近くにあったら絶対通うなって盛り上がりました!地熱で焼いたパン、ふわふわで優しい感じがして想像だけで幸せな気持ちになりました。町ぐるみの温かさ、素敵です♪
こんな温もりのある場所が今の時代に生まれるなんて…歳をとると人とのふれあいがありがたく感じます。若い人とおしゃべりしながらパンを食べられたら、それだけで元気が出そうです。夢のような町ですね。
すごい、めっちゃエモいニュース!私も環境サークルに入っているので、町ぐるみでエネルギー循環&コミュニティも広がるっていうの、理想だと思いました。パンの香りでつながる地域、これからの日本に必要だよね!
ご近所のみなさんで集まる朝食会、きっと笑顔があふれているのでしょうね。温泉の蒸気でパンを焼くなんて、なんて発想!ほんのり温泉の香りがするのか気になります。わが町にも導入してほしいです。
なんだか読んでいるだけで心がほかほか…!SNSで話題になるのも納得です。エネルギーの優しさも人の優しさもいっぱい詰まったパン屋さん、これこそハッピーな未来だ~。応援してます!!