小さな手が握るコインに、未来はどれだけ詰め込めるのか。甲信地方の星乃町で、7歳からなる“こども銀行”が町の人々を笑顔にしている。銀行ごっこが本当の金融教育へ、不思議な連鎖が始まった。
町の中心広場、かつて使われていなかった木造倉庫が、いまは“星乃こども銀行”として活気づいている。発起人は小学2年生の井之森茜さん(7)。幼稚園の頃、町のおじいちゃんから“お年玉は小さな投資”と教わったことが忘れられず、「みんなに夢を預け合える場所を作りたい」と、同級生7人とともに銀行ごっこを始めた。
この“こども銀行”の面白いところは、独自通貨『キラコイン』を使っていること。町の大人やお店は、子どもたちの“優しさ活動”やお手伝いにキラコインで“利子”をつけてくれる仕組みだ。集まったキラコインは、月に一度の“思いやり投資会議”で、誰かに嬉しいサプライズをする資金に変わる。先月は、入院中だった佐久間芙蓉さん(76)に花束と手紙が届けられた。芙蓉さんは「コインよりも、子どもたちの声が一番の宝になった」と笑顔を見せた。
町の銀行や保険会社も巻き込まれている。地元金融機関の草野幹夫さん(48)は、「子ども銀行の“支店”として、僕たち大人も『キラコイン預金』窓口を担当しています。保険や資産の話も、“どう優しさを育てるか”の視点で伝えるようになりました」。最近は地域住民の間でも、「明日は何に投資しよう」「笑顔で返す配当だね」と優しい会話が交わされるようになった。
SNSでも全国の親子や教育関係者から称賛の声が集まる。「お金や保険は人生の手助けだと子どもが理解してくれた」「投資の本当に大切な意味を教えられた」とのメッセージも。金融のしくみが、優しさで回り出す町。7歳のアイデアが星乃町の未来を包み込み、いま、コイン以上の価値がそっと芽吹いている。


コメント
子育て中の母親として、こんな取り組みがある町が本当にうらやましいです!お金の使い方だけじゃなくて、思いやりや優しさを学べるって素敵だなと思いました。うちの子にも参加させたくなります。
私も少し歳を重ねてきた身ですが、子どもたちがこのように人に喜ばれることを自然と学べる環境、本当に温かくて心が動かされます。昔の町内のつながりを思い出して、なんだか懐かしくなりました。