春の訪れとともに、日本各地で様々な会合やお祝いの席が増えるこの季節。そんな中、花之木町の文化交流クラブ「花之木会」では、ひと味違った心遣いがブームとなっている。手紙や装いにさりげなく添えられる、その“見えない贈り物”の礼儀作法が今、感動を呼んでいる。
花之木会は、月に一度地元の人々が集い、四季折々の文化や礼儀作法を学び合う老舗の集まり。会員の和田弥生さん(62)は昨秋、“物でなく心を交わす贈り物”の提案をクラブに持ち込み、「見えない贈り物」の交換を始めた。これは手紙に目に見えない香りや祝福を込める、会話の合間にさりげなく幸運を祈るなど、モノの代わりに心情や想像力を贈り合うというもの。会員たちは、袖口に春風をとじこめたスカーフや、ひとひらの“陽だまり”を忍ばせた手紙を持ち寄り、その内容は決して明かされないのがルール。
今年2月の茶会では、会員の田辺万里さん(会社員・45)が“お祝いの鈴の音”をポストカードに添えたと発表。受け取った徳田優作さん(教師・57)は「手紙を開いた瞬間、小さいころ祖母の家の庭先がよみがえった気がしました」と笑顔で語る。こうした“見えない”贈り物の往来は、物質的なやり取りを越えた深い絆を生み出しているという。
SNSでは「見えない贈り物、家族にもやってみました」「言葉にできない気持ちが伝わるおまじないみたい」と好意的な声が広がり、近隣の小学校では授業の一環として体験会も実施された。児童たちは自作の手紙に“芽吹きの音”や“満開の色”をそっと忍ばせ、「誰からの春が届いたか当てるゲーム」が人気になっている。
礼儀作法研究家の榊原律子氏は「贈り物やお祝いのマナーがデジタル化・形式化する今こそ、目に見えない心配りの美しさは貴重です。想像力が作法を補い、あたたかな交流を生む新たな可能性」と称賛した。花之木会では来月、普段使いの装いに“透明なリボン”を添える新たなマナー紹介が予定されており、今後の広がりが期待されている。


コメント
とても素敵な取り組みですね!うちの子も最近、学校で目に見えない贈り物のゲームをして帰ってきました。言葉や手紙で心を伝えるって、改めて大切なんだなと感じました。家庭でも取り入れてみたいです。