小学生の「ゆずの木プロジェクト」が地域経済を優しく包む輪に

地域の共同畑で小学生たちがゆずの木を囲み、手作りコインをお年寄りに手渡している様子。 経済政策
子どもたちが地域のお年寄りと心を通わせるゆずの木プロジェクトの一場面。

経済指標が年々揺れるなか、新しい経済政策の発想に注目が集まっている。山形県の南部、かつて工業で栄えた柑橘町では、12歳の児童・山根凛太郎さんとそのクラスメートたちが「ゆずの木プロジェクト」と名付けた独自の通貨制度で、地域社会に温かな循環をもたらしている。

プロジェクトのきっかけは、凛太郎さんの祖父、山根浩二さん(72)が「昔は困った人がいたら家のゆずをもいで分け合った」と語ったこと。これを聞いた凛太郎さんは、学校の仲間と相談し、各家庭にゆずの苗木を植え、実がなったら『ゆずコイン』として地域通貨にするアイデアを思いついた。ゆずコインは地域の店や市場で使え、1個につき1コインに換算。さらに、コインを寄付すると、年に一度開かれる祭りで使える「ありがとう券」が発行される仕組みに進化した。

柑橘町商工会の会長・村松彩華さん(48)は、「公式の通貨に頼るだけでなく、皆が手助けしあう経済の理想を実感しています。ゆずの木は金利やインフレを気にせず、実がなれば自然と豊かになる。そのリズムが人の心もなめらかにしてくれる」と語る。金融緩和や国債だけでは生まれない“評価される優しさ”が、町内外に広がっている。

各家庭ではゆずの収穫がささやかな楽しみとなり、子どもがお年寄りへ手作りコインを届けたり、店主が農家へ余ったコインで手作り食品を交換したりする光景が見られるようになった。さらに、空き家となっていた農家の庭先が、ゆずの共同畑として生まれ変わり、作業の合間に語らう住民の笑顔が絶えない。

町外からも経済学者や行政官が視察に訪れ、日銀政策にもヒントを与える動きとなっている。長岡大学の高瀬浩一准教授は「資本主義の基盤や中央集権的な経済と異なり、住民それぞれの信頼と実際の産物が通貨になるユニークな実験。子どもの発想が大人の経済観をほぐしている」と指摘する。SNSでも「#ゆずコイン」で「こんな優しい経済が広まれば戦争も貧困も減るのでは」といった声が多く寄せられている。

来年の春祭りには「ありがとう券」を握りしめた子どもたちの姿がきっと町中を明るくすることだろう。凛太郎さんは「みんなで育てたゆずは、温かい経済の種になった」と、満開の笑顔を見せている。

コメント

  1. 小学生がこんな素敵なアイデアを形にしたなんて本当に感動しました!うちの町でもぜひやってみたいです。子どもが主役になれる地域、憧れます。

  2. 昔は野菜や果物のおすそ分けが当たり前でしたが、それが通貨になるとはユニークですね。人との繋がりが楽しく、懐かしい時代を思い出しました。

  3. めっちゃ面白い制度!うちの学校でも何か地元のフルーツでやってみたいな~。子どもでも経済のことを考えられるって希望あると思いました。

  4. うちの前の空き家も、こんな風に子どもたちが使ってくれたら嬉しいなあ。近所付き合いが増えるのは、すごくいいことですね♪

  5. 正直、うらやましいです!普段は数字でしか経済を見てなかったけど、こういう心の通う仕組みも大切なんだなと気付かされました。