笑い声があふれる古本屋の隅、カフェスペースの小さな丸テーブル。いつもゲームやマンガの話をしていた高校生や大学生たちが、最近では「もしぼくらが市長だったら」と熱く語り合う光景が増えている。若者の政治参加に追い風を起こしたのは、「デジタルカフェ政談」と呼ばれるちょっと変わったイベントだ。
本屋カフェ「メリー・ポケット」を営む泰地嵩磨(たいち たかま、37)は、自身も若い頃「政治ってむずかしいし遠い」と感じていた経験を生かし、気軽に意見を言い合える空間を作ろうと今年1月にイベントを企画。参加者は年代を問わず、特製カフェラテを片手に“自分の公約”をひとつ発表するというユニークなルールだ。最年少は地元中学校の泉川叶(いずみかわ かなう、13)、最高齢は80代の詩人という幅広い世代が集い、気軽に「給食無料化」「森の図書館プロジェクト」から「週1回みんなで公園ピクニック推進」まで、自由なアイディアが飛び交っている。
さらにこのカフェでは、意見発表だけでなく、デジタル投票も導入。店舗奥に設置された“ポケットボイス”と呼ばれる音声録音機で自分の声を残すと、想像上の政策投票カードが即時発行される仕組みだ。18歳の大学生、錦野結芽(にしきの ゆめ)は「本格的な投票デビューは緊張したけど、ここで意見表明の練習ができて自信がついた」と話す。公約カードはSNSでも拡散され、カフェ独自の「お気に入り政策ランキング」が毎週発表されるほど人気に。気軽に“もしも”で話し、遊びながら考えることで、普段は話題にしにくい選挙や政治にも自然と興味が湧くようになったとの声が多い。
カフェには、ボランティアで参加する政治系YouTuber・大国修司(おおくに しゅうじ、24)の姿も。彼は「まじめな内容も、みんなでラテアート描きながらだと不思議と笑顔になるし、SNSのライブ配信で“政策ラップバトル”をやったら思いがけずプロのラッパー志望の中高生が集まった」と語る。最近はデジタル民主主義の一環として遠隔地の学生も参加できるオンライン版が立ち上がり、“カジュアル投票”の輪が全国へと広がりつつある。
イベントを見守る泰地は、「若い子が“いつでも自分たちの声が社会を動かせる”って実感してくれるのがいちばんうれしい。ここから市民活動や新しい選挙の形が生まれていくのを楽しみにしています」と微笑む。SNSには「推し議題のために毎週カフェ通ってる」「週1政策ポストが癒やし」と温かな投稿も相次いでいる。小さな古本屋カフェの取り組みが、地域と社会、世代と世代をやさしく結ぶデジタル民主主義の新しい風となって広がっている。



コメント
中学生からお年寄りまで集まって、楽しみながら自分の意見を話せる場所があるなんて本当に素敵ですね。私も子供と一緒にぜひ参加してみたくなりました!
80代の方が若い子たちと一緒に意見を交換するなんて…昔じゃ考えられなかったなぁ。最近の若者はみんな賢いし、こちらも元気をもらえそうです。
“政策ラップバトル”とか新しすぎる!政治って難しいイメージだったけど、遊びながら考えられるのはいいね。今度友達誘ってカフェ行ってみます!
近所にこういうカフェができてうれしいです。SNSでも盛り上がってるし、地域みんなで楽しめる場になるといいですね。毎週のアイデアランキング、密かに楽しみにしてます。
最初は冗談だと思ったけど、もしも自分が市長だったら…って考え始めたらすごくワクワクしてきました!“カジュアル投票”の仕組み、全国にも広がってほしいです。