「親ガチャ」と呼ばれる言葉が世間に広まる中、一つの家族の斬新な取り組みが静かに注目を集めている。東京郊外に暮らす松橋家では、週末ごとに家族全員が「ジャンケン」で役割をシャッフルし、“家事シェア”と“家族の役割交換”を楽しむユニークな家族会議が開かれている。
松橋家は両親の達夫さん(44)、麻衣さん(41)、長女の寧々さん(15)、長男の洋輔くん(12)の四人家族。2年前、寧々さんが友人との会話の中で『親ガチャって言葉、ちょっと寂しいよね』と何気なく漏らしたことがきっかけで、松橋家の“ジャンケン家族会議”は始まった。毎週金曜の夜、みんなで円になり、スマートフォンのジャンケンアプリで“今週の親役”や“子役”、さらには“ペット役”までを決定。得た役になりきり、週末の家事やご飯当番、町内のゴミ出しなど家族の仕事を引き受ける仕組みだ。
この新ルールがもたらしたのは、想像以上の温かさだった。今年は達夫さんが“長男役”に当たり、小学生さながらに宿題を『ママ』に提出。逆に洋輔くんが“お父さん役”となり、晩ご飯のメニューを家族分考え、皆に労いの言葉をかけている姿がSNSで話題となった。「一度だけ“犬役”になったら、家族全員で散歩に付き合ってくれて本当に楽しかった」と寧々さんは振り返る。家族の立場を定期的に交換することで、それぞれの大変さも喜びも共有し合えるという。
地域社会への影響も広がりを見せている。数軒先の大槻さん(会社員・52)は「松橋さん家のジャンケン会議を見て、我が家でも“家事くじ引き”を始めました。子どもも楽しそうに手伝ってくれます」と語る。町会の掲示板には“今週のお父さん・お母さんは誰?”と書かれたメッセージも現れ、近隣の子どもたちも取り組みに参加する動きが出てきた。
家族ソーシャルワーカーの堀之内美砂さんは「“親ガチャ”は、選びようがない生まれの象徴と受け止められてきましたが、役割を遊び心で交換するだけで互いへの思いやりや新しい発見が生まれます。身近な範囲から幸せをシェアする発想は、今後多様な家族関係のモデルとなるのでは」と話す。松橋家の週末ジャンケンは、今日も小さな笑い声とともに“家族ガチャ”の新しい可能性を広げ続けている。


コメント
うちでもさっそくジャンケン役割まわし、やってみました!子どもたちが『お父さん役』をやると、普段見えなかった苦労がわかるみたいで、とても良い刺激になりました。松橋家のみなさん、素敵なアイディアをありがとう!
読んでてめっちゃほっこりしました。親ガチャなんて言葉が流行っちゃう時代に、こんなふうに“家族”を再発見してるって素敵ですね。自分も家に帰った時、家族とジャンケンしてみようかな。