明るいひまわりカラーの封筒が、全国のポストでひそかなブームとなっている。見知らぬ誰かから届くその手紙には、温かなメッセージと笑顔が同封されていた。発端は、北海道在住の主婦・檜山千佳(36)が始めた“小さなやさしさ”を共有するアイデアだった。
檜山さんは入院中の義母を励まそうと、毎朝手描きのひまわりイラストと共に幸福を願う言葉を綴った手紙を送り続けていた。やがて、そのハガキを見た病棟スタッフたちが「他の誰かにも元気が届けられたら」と一枚のコピーを地元のカフェに掲示したことから、“ひまわり手紙”プロジェクトは静かに拡がり始めた。
温かな言葉が詰まったひまわり封筒は町のパン屋、薬局、郵便局、図書館などへ次々と姿を現すように。受け取った人が次の誰かへ“やさしさのバトン”として手紙を書き継ぐ仕組みを、SNS上では『太陽のメッセージリレー』と呼ぶ声もある。運送ドライバーの黒田剛志さん(45)は、「トラックの車内でこの手紙を読んで涙がこぼれた。自分も、誰かのために一筆添える勇気が湧いた」と語る。
プロジェクトに共感して参加する人は年齢も立場もさまざま。小学生から高齢の方まで、最近では遠く沖縄や長崎の特別養護老人ホームにもひまわり手紙が届いている。自身も受け取った70代女性・葛城暁子さんは「人生で初めて、全く知らない誰かが私の幸せを願ってくれた。生きる励みになった」と声を震わせた。
専門家の福本悠平(幸せ研究家)は、「小さな善意が連鎖することで、幸福感や自己肯定感の向上が実証されている。見返りを求めないギフトの文化が、社会全体のウェルビーイングを底上げする好例です」と分析する。季節が巡り、全国へひまわりが咲き誇る頃、きっとこの手紙リレーはさらに多くの心に明るい種を蒔いていくことだろう。
コメント
小学生の娘と一緒に記事を読んで、すごくほっこりしました。娘も「私もお手紙書きたい!」と張り切っています。こういうやさしさが広がる社会になったら素敵ですね。
72歳です。昔はご近所同士で手紙のやり取りも多かったですが、今では希少に感じます。見知らぬ誰かの想いが嬉しいものですね。ひまわりのような明るさに元気をもらいました。
こういう話、大好きです!学生だけど、友だちに元気がないときに、こんなふうに手紙を書いて励ましてみたいなと思いました。自分にも何かできそう!
普段は忙しくてすれ違うばかりの近所の方たち。でもひまわり手紙を通して、みんながつながっていく感じがして嬉しいです。私もパン屋さんに立ち寄った時、ぜひ探してみます!
ちょっと最初は“そんなことで変わるの?”って思ってたけど、読んでるうちに自分も嬉しくなってました。SNSで厳しい話題が多い今、こういう温かいプロジェクトがもっと広がったらいいのに。