町を照らす“おひさまベーカリー”開業、児童たちと創業した若き起業家の挑戦

街角の明るいベーカリー店頭で、子どもたちがエプロン姿でパンを手渡し、起業家の青年と笑顔を交わしている様子。 スタートアップ産業
おひさまベーカリーで、子どもたちと青年起業家が地域の人々と温かく交流する光景。

駅前通りに新たな活気が生まれている。色とりどりの看板、窓辺に並ぶパン、その奥で笑顔を交わす子どもたちの姿。「おひさまベーカリー」は、青年起業家の園田理人(28)が、地元小学校の児童たちと共同創業したベーカリーカフェだ。ユニークな起業エコシステムが、市や地域住民を巻きこんで一大ムーブメントへと発展している。

きっかけは、数年前に園田が訪れたPTA講演会。子どもたちが「町にもっと楽しめる場所がほしい」と発言したことに心を打たれ、企業向けIoT開発に携わっていた自身のキャリアを一新。「大人も子どもも共に働ける、みんなの店舗を作ろう」と一念発起した。公募で集まった地元小学校4年生の有志20名を“こども共同創業者”として迎え入れ、経営会議から商品開発、広告デザインまで、子どもたちが主役となるビジネスモデルを確立した。

ベーカリーでは、“虹のクロワッサン”や、地域で採れた野菜を使った“みんなのピクルスパン”など、子どもたちが発案した商品が大人気に。特に子どもたち自らが接客や宣伝活動に参加することで、近隣住民や通学児童のみならず、遠方からも家族連れが続々と訪れるようになった。来店者の女性客(41)は「子どもがパン作りやレジ体験をしていて、本当に楽しそう。この光景を見ているだけで幸せな気持ちになれます」と話す。

起業家支援の観点からも注目は大きい。市経済振興課の中川淳一郎課長は、「起業家精神=大人の特権、という既成概念が崩れた。次世代の共同創業者を増やす画期的な事例」と評価。ベーカリーの利益の一部は、子どもたち自身が検討した「わくわく図書予算」や公園設備の充実に使われ、地域エコシステムが循環している。SNSでも、“子どものアイディアが本当に社会を変えてる!” “小さな手が大きな町を作ってる!”と、感動の声が多数寄せられている。

園田は「子どもたちの創造力は無限大。私自身もたくさんの勇気をもらっています。これからも“みんなの町のパン屋さん”として挑戦し続けたい」と笑顔を見せる。始まりは一人一人の小さな夢。それが交わり合い、町全体の幸せへと広がっていく——“おひさまベーカリー”は、そんなエコシステムの新しいかたちを示している。

コメント

  1. 子どもが自分で考えたパンが実際にお店に並ぶなんて、想像するだけでワクワクします♪親としても、こういう実体験を通じて成長していく姿を見ることができて感激です。絶対に家族で行きたいお店です!

  2. 子どもたちがこうして町のために頑張っている姿は本当に頼もしいです。昔は近所にも活気のあるパン屋がありましたが、今どきの発想で復活した感じですね。若い力に刺激をもらいました。ぜひ応援したいです。

  3. めちゃくちゃ素敵!子どもだからこそ生まれるアイデアってあるよね。私もバイトじゃなくてもっと意味のある活動したいな~って元気もらえました!今度友だちとベーカリー行ってみます!

  4. 駅前に新しい風が吹いててうれしいです。朝の通学時に子どもたちの元気な声が聞こえてきて、思わず笑顔になります。うちもパンを買いに寄るのが日課になりました。地域みんなが集まれる場所ができて感謝です。

  5. 子どもたちの笑顔や頑張る姿を見たら、こちらまで元気をもらえます。パンもおいしそうだし、町が明るくなって最高!うちの子もいつか参加できたらいいな~。理人さん、本当にありがとう。