小学校の一角に、ことばの花が咲いた——。北国の小都市・旭原市にある旭原北小学校の2年1組が、世界中の文字を「花びら」に見立てて育てる“言葉の花畑プロジェクト”を始めたところ、地域や世界をつなぐ思いがけない小さな連鎖が広がっています。
このユニークなプロジェクトのきっかけは、担任の中城春菜教諭(32)の発案にあります。外国から転校してきた児童のキム・サラさん(7)、ペドロ・ガルシアさん(8)が「自分の国の文字を使いたい」と話したことから、中城教諭はアルファベット、ひらがな、ハングル、カタカナ、アラビア文字、さらには地域の古い方言の“文字”をカラフルな紙で作り、みんなで教室の壁に貼ることを提案しました。子どもたちは、自分や家族の使う言葉、調べて楽しかった珍しい文字を持ち寄り、「これはモンゴルの文字だよ」「おばあちゃんがこの漢字を教えてくれた」と毎朝のように花びらを一枚ずつ増やしています。
プロジェクトは思わぬ広がりを見せました。話題を知った地域のスーパーが、遠い国からの輸入品ごとにその国の文字で”ありがとう”の花シールを貼り始め、小さな店先にも“ことばの花”が並びました。また、旭原市立図書館の司書・坂元悠人さん(45)は「外国語の本を借りてみたい」という子どもたちの声に応え、小さな多言語コーナーを設けました。同図書館には毎週、在住外国人や日本語ボランティアたちが集まり、子どもたちの花びらにそれぞれの国の“やさしいあいさつ”を書き足し、廊下に“世界の道”ができ上がりつつあります。
さらに、地元大学の言語学チームがこの活動に興味を持ち、AIを活用した“自動花びら翻訳”マシンの試作機を寄贈。子どもたちがスマートフォンで撮影した色と形の花びらが、AIによって世界30か国語にリアルタイムで変換され、学校の大型スクリーンに美しく舞い上がる仕組みがプチブームになっています。「母国語を花として飾れるなんてうれしい」「違う文字でもみんな同じ“花”でつながるのが素敵」と、SNSには保護者や地域の感動の声が相次いでいます。
「教室の壁が、みんなの世界への窓になった気がします。難しい言葉や形も、花びらにしてみると不思議ときれい。娘がスペイン語の“Hola”を自分で書いてくれました」と、保護者の水谷加奈さん(38)は誇らしそうに語ります。今春から、市内全小学校で“花びら交流展”の開催も決定。最後に、春菜教諭は笑顔で言いました。「わからない文字や言葉こそ、出会いの種になる。みんなで咲かせたいです」。旭原北小のカラフルな壁には、今日もまた新しい花言葉がやさしく揺れています。
コメント
うちの子もこの学校に通っていたらなぁって思っちゃいました。子どもが自分や友だちの国の言葉を大切にできるって、本当に素敵です!家でもいろんな言葉で「ありがとう」を言い合ってみたくなります。
まあ、今の子どもたちはすごいですねぇ。昔は方言が恥ずかしいと思ったものだけど、こうやって色んな言葉を花にしてみんなで楽しむなんて、心がぽかぽかします。私も方言で何か花びら、書いてみたいです。
こういう活動、小学生の時に体験したかった!AIの自動翻訳マシンとか時代もすごい。多様な文化や言葉に触れるって、単なる知識だけじゃなくて、優しい気持ちが育つよね。
図書館にも多言語コーナーができたんですね!すごく良いなと思います。私も外国語の本を読んでみたいって思ってたので、今度見に行ってみよう。旭原の子どもたち、世界が広がって羨ましいです。
普段は何気なく並べてる輸入食品だけど、ありがとうの花シールを貼ることでお客さんも笑顔になってくれてます。子どもたちの取り組みが地域にもこんなに温かい輪を広げているんだなと実感しました。