駅前広場がスズメの楽園に!都市鳥と人が共演した「バードホーム・プロジェクト」始動

駅前の人工芝の上でスズメやセキレイが群がってバードフィーダーをついばみ、周囲に通勤客や子どもたちが笑顔で見守る朝の駅広場の様子。 アーバンバードウォッチング
駅前の小さなバードフィーダーを囲む、人と鳥の優しい朝の風景。

朝の通勤時間、駅のホームに優しいさえずりが響き渡る——そんな光景が、いま都心の複合駅・旭ヶ丘駅で注目を集めています。小さな羽ばたきが、街のリズムに心地よい調和をもたらしているのです。この“駅前バードフィーダー”を中心に、人と鳥が共に楽しむ新たな都市の風景が生まれました。

発端は、駅前商店街の花屋を営む堀部久美子さん(44)が、自身の店頭に小さな手作りバードフィーダーを設置したことでした。「毎朝、開店準備をしていると、スズメたちが駅の人工芝に降りてきて、一生懸命ついばんでいるのが可愛くて。通勤の人もみんな、なんだか心が和んでるみたいだったんです」。そのエピソードがSNSで話題となり、「#駅でバードウォッチング」が都市部を中心にじわじわと拡大。やがて、通勤客や近隣の児童たちもバードフィーダーにナッツや穀物を継ぎ足すようになりました。

一帯ではスズメのほか、セキレイや渡り途中のムクドリ、時には都市緑地にしか現れないといわれるカワラヒワの姿も確認されています。放課後に広場で双眼鏡を持つ児童グループや、手作り図鑑を片手に新種をスケッチする若者、ワンシーンを描くスケッチブックを広げたバードウォッチャーの姿も珍しくありません。駅構内には週替わりで“今日の鳥ニュース”を掲示するキッズ運営のミニボードも設置され、通行人が足を止めて笑顔を交わしています。

旭ヶ丘大学の鳥類生態研究者・畑中清志助教は「都市の駅という人工的な場所が、鳥と人、そして地域をつなぐ緑のハブになるとは想像していませんでした。小さなフィーダーがきっかけで季節の渡り鳥も立ち寄りますし、時にはバス車内からスズメのダンスを眺めて“いい一日になりそう”という声も聞きました」と語ります。最近では、地元有志による“さえずりボランティア”も結成され、落ちた殻の片づけや鳥の水場整備など、駅前の美化活動も進んでいます。

「混雑や慌ただしさの中に、鳥たちの穏やかなリズムが加わると、誰もがほんの少し優しくなれる気がします」と、サラリーマンの宇梶達郎さん(37)は語ります。その証拠に、すれ違う人々の表情がどこか和らぎ、赤ちゃんを連れた家族もスズメと一緒に朝を楽しむなど、日常の景色がほっこりと変化。駅前広場には今日も、小さな羽ばたきと人の笑顔がやさしく共鳴しています。

コメント

  1. 子どもと通園の途中で旭ヶ丘駅をよく利用しています。バードフィーダーを見つけてから、毎朝スズメを探すのが娘の楽しみになりました。駅でほっこりできる時間ができて、本当に感謝しています。こういう優しい取り組みが広がるといいですね。

  2. 昔は近所の神社にもよくスズメが集まったもんじゃが、最近はめっきり減ってのう。駅前で鳥のさえずりが聞けるなんて、懐かしい気持ちになった。若い人たちも自然を大切に思って活動しとるのが嬉しいのう。

  3. すごく素敵なプロジェクトですね! 私は鳥が好きで、大学の帰りにときどき駅の広場でぼーっと鳥を眺めて癒されています。SNSで写真をシェアしたら、友達からも話題になってました。こういう“都会の癒しスポット”もっとできるといいなあ。

  4. 駅前の花屋さんが発案されたとのこと、本当に素敵だと思います。近所に住んでいますが、忙しさのなかで鳥たちの存在に気づかせてもらえて嬉しいです。子どもたちも自然への興味を持つきっかけになっているようで、地域も明るくなった気がします。

  5. 朝の通勤、正直いつもせかせかして苦手だったんですけど、スズメの姿を見かけてからちょっと心に余裕ができるようになりました。落ちたエサの片付けまでみんなでしているって、なんかまち全体が温かいですね。こういうニュース、もっと増えてほしい!