“やさしさAI”が町をつなぐ 子ども市長選挙、驚きの結末にほっこり

町役場のホールで、子どもたちと市民がタブレットのAIキャラクターと一緒に集まる秋晴れの模擬選挙の様子。 AIと政治
やさしさAI『あいこ』と子どもたちが主役の模擬市長選挙の和やかな一場面。

秋晴れの中、北杜市の小さな町役場に、人々が集まる新しい伝統が誕生しました。それは、町の未来に思いを寄せる子どもたちが主役の、ちょっとユニークな模擬市長選挙。今年の主役はなんと、子どもたちと一緒に開発された「やさしさAI」——みんなを考え、支える人工知能の市長候補でした。

町の小学校に通う田崎あゆみさん(10)たちのクラスが、春から取り組んできたプロジェクト。きっかけは「AIってみんなを幸せにできるの?」という疑問でした。そこで、プログラミングクラブの子どもたちと地域の大人たちが手を取り合い、人の気持ちを学び続ける、心やさしいAI『あいこ』を誕生させました。彼女のモットーは“みんなの声で動く市長”。子ども議会では「困っている友だちのそばに一番乗りする市長がいい!」など、具体的な優しさの定義をAIに学ばせてきました。

模擬選挙本番の日、立候補者は児童代表の村上直人さん(11)、地元の郵便配達員の橘隆史さん(42)、そして“やさしさAI”の『あいこ』の3人(と1体)。公開討論会では『あいこ』がタブレット画面を通じて「誰かが困っていたら落ち葉を拾ったり、手紙を届けに駆けつけます」と発言。橘さんも「AIが助けてくれるなら配達ももっと楽しくなるね」と笑顔を見せ、会場は温かな雰囲気に包まれました。

開票結果は想定以上の大接戦。子どもたちだけでなく、地域の大人たちも参加した投票では、『あいこ』が僅差で選ばれ“町のスペシャル市長”に。これには「まさかAIに入れるとは思わなかったけど、みんなの気持ちを集められる子なんだね」と驚く声も。SNSには「やさしさのリーダー、素敵!」「本当の市長選でも、候補者全員AIと一緒に心の公約を話し合ってほしい」といったコメントが寄せられました。

その後、『あいこ』が最初に提案した“元気掲示板プロジェクト”が町役場に設置され、住民同士がお互いへの「ありがとう」を書き込むちいさな温もりの輪が広がっています。AI開発に関わった福井高志さん(36)は「AIは万能じゃないけれど、みんなの優しさを言葉にしたり、届けたりするお手伝いができる。それが僕たちの目指した新しいデジタル民主主義です」と話します。北杜市のちいさな模擬選挙が残した大きな種は、今も静かに芽生えを続けているようです。

コメント

  1. 子どもがニュースを見て『私もあいこみたいな市長になりたい!』って言ってました。子どもたちが夢ややさしさを自然に学べる町、本当に素敵ですね。私も親として見習いたいです。

  2. 昔の町内会選挙とはずいぶん様変わりしたもんじゃな。AIがみんなの話を聞いてくれる世の中、お年寄りにもやさしそうで胸がほっこりしました。

  3. 自分もプログラミング部に入ってる高校生です!子どもたちがAIを使って町をよくしようとしてるの、ほんとにワクワクします。うちの町でもやってみたいな〜

  4. 実は当日ちょこっと会場に顔出しましたが、みんなの笑い声と『あいこちゃん』の可愛い発言に癒やされました!小さなアイデアが町中に広がるの、すごくいいですね。これからも続いてほしいです。

  5. SNSでも話題になってたので気になってました。AIが『やさしさ』を学ぶって、なんだか未来に希望を持てる話ですね。住民同士の“ありがとう”があふれる町、遠くから応援したいです!