夕暮れ時、鳥取県西部の緑豊かな集落で、村役場の前に色とりどりの屋台と青いテントが並ぶ。軽音楽のリズムとともに、地元の高校生たちが手作りのフリップを掲げて叫ぶ。「投票も、おもちも、どうぞ!」。この村で初開催された“カジュアル投票村フェス”は、若者たちの政治参加を応援しようと立ち上がった村人たちによる新しい選挙スタイルだ。
発案者は、村で花屋を営む紺野美月さん(32)。「これまで村の投票所の雰囲気が重くて、若い人は近寄りがたい感じだった。けど、うちの娘が『投票は、自分のことを伝える日でしょ?なら、楽しくしちゃえば』って言ってくれて」と笑顔で語る。同じ思いを持つ若者や保護者もすぐに集まり、村役場と協力して“カジュアル投票村”企画チームが発足。
今回のイベントでは、郵便局跡地の広場をまるごと『投票と対話』の場所に改装した。入り口には自作ポスターのアート展。会場中央では、大学生グループたちがジェンダー政策や環境問題をテーマにした“当事者カフェ”を開き、「どんな未来をつくりたい?」と世代を超えて語り合った。来場者のほとんどが20歳代以下という、かつてない盛況だ。
この盛り上がりの中心には、中学3年生の参加型パフォーマンスも。地元高校の吹奏楽部メンバーによる手作りミュージカルでは、「みんなで変える、本気の選挙」というメッセージが軽やかに歌われた。さらに、SNSを活用した“投票所ボランティア日記”も大きな反響を呼んでおり、X(旧Twitter)には「選挙って敷居が高いと思ってた。でも今日参加してイメージが変わった!」等の声が次々と届く。
政治学者の野口礼子氏は「自分の考えを自由に話し、誰もが参加できる空間を用意したことで、若者自身が“自分ごと”として政策に向き合ったのが画期的」と評価する。次回の投票では、隣町の青年団も参加を計画。村の小さなできごとは今、全国の注目を集める“しあわせの一票ムーブメント”につながろうとしている。
コメント
小学生の娘が「投票村楽しそう!行ってみたい!」と言っていました。大人の選挙も、こんなふうにワクワクした雰囲気なら、家族みんなで参加したくなりますね。田舎だからこそできる温かさを感じました。
うわー、めっちゃ良い!投票とか固いイメージだったけど、音楽やカフェもあって、気軽に行けるの最高。うちの地元でもやってほしいな。若い世代の声、どんどん社会に届いてほしいです!
私は80歳の村の古株ですが、こんなに若い人たちが楽しそうに選挙を盛り上げている姿に心打たれました。我々の時代とはずいぶん違いますなぁ。次は孫を連れて一緒に参加しようと思います。
いろんな世代が混ざって、政治について語ったりパフォーマンスしたりするなんて素敵です!SNSの力もすごいですね。こういう取り組み、もっと広がってほしいです。日本の未来に希望が持てますね!
最初は『投票もお祭り!?』って正直びっくりしましたけど、村のみんなが楽しそうで、なんだか自分も元気をもらいました。おもち、めちゃ美味しかったです。また次回も手伝わせてください!