早朝のトレイルランコースを駆けるランナーたち。みんなが見上げたのは、スタート直後の坂道を軽やかに駆け上がる一匹のきつね。そのきつねが、なんとランナーの横に並び、一緒に森の中を走り出しました。そんな不思議で温かな出来事が、全国オンラインマラソンのトレイル部門で話題になっています。
物語の主人公は会社員の西園寺由紀さん(43)。昨年からオンラインマラソンに挑戦するようになり、忙しい毎日の合間をぬってトレーニングを重ねてきました。由紀さんは自身のペースメーカーとなる“自撮りラン記録”もお手のもの。だがこの日、いつもの記録アプリのスタート音が鳴ると、後方からふわっと赤茶色の毛並みが追い抜いていったのです。「最初はびっくりして固まりました。でもそのきつねは、こちらをちらりと見てから、同じリズムで並走し始めたんです」
由紀さんときつねの即席チームは、1キロ、また1キロと距離を刻んでいきました。走行データを見ると、きつねと並ぶようになってから由紀さんのストライド(歩幅)は理想的なフォームへ変化し、ペースもほどよく安定していたとのこと。その後続々とコースを走る他の参加者たちも、折り返し地点付近で同じきつねと出会い、声をかけたり、記念写真を撮るなどして温かな交流が生まれました。SNSには『森のペースメーカー現る』『きつね先輩ありがとう!』『ラストが優しさでいっぱいになった』と感謝のコメントが相次いでいます。
専門家の観点でも、今回のように動物が自然に人間のランに寄り添う事例はきわめて珍しいそうです。生態研究員の杉浦岳教授は「一般に野生動物は人を避けますが、森の豊かさや人々の穏やかなアプローチが彼らの安心感につながったのかもしれません」と話します。イベント運営側も、この出来事を記念して“森のきつねランバッジ”を全参加者に贈ると決定。「ランニングは己との戦い、でも時には森や生き物だって一緒に走ってくれるもの」と述べました。
きつねと並んで走ったランナーは、記録タイムだけでなく新しい友情もお土産に持ち帰ることができました。いつものペースで一人だったはずの朝が、森の中の小さな奇跡でみんなの心を1つに繋げた様子に、スタッフの井之上まどかさん(29)も「また来年も、誰かの隣にきつねが並んでくれたら…」と微笑みます。これこそが、走ることの本当の楽しさなのかもしれません。
コメント
子どもと一緒に読んで、なんだか朝から心がぽかぽかしました!ランニング苦手な私でも、こんなステキな伴走者がいたら頑張れそうです。由紀さんもきつねさんも、素敵な時間を分けてくれてありがとう!
若い頃は散歩ばかりしていたけれど、私も昔、森で小動物に出会って癒されたのを思い出しました。自然と一緒に運動するのは格別ですね。きつねも、森も、みんな優しい世界であってほしいです。
え、きつねと一緒に走るとか羨ましすぎ!インスタ映えどころじゃないっすね。この話読んで、今度実家の山道ランしてみたくなりました。森の動物に優しくする気持ち、大事だなって思いました!
近所でこの話があったら、絶対みんなで井戸端会議になってたわ〜。森のきつねさん、ぜひうちのトレイルにもお越しください!子どもたちと一緒に応援したい。こんな温かいニュース、心がほぐれます。
こんな不思議できれいな出来事、本当にあるんだ〜とワクワクしました!生き物と人間が自然に仲良くなれる瞬間って本当に素敵ですね。来年は私も参加したいなって元気をもらいました。