秋風のそよぐ朝、鳥取県にある宇多和町で、青空に淡く光る「雲のランタン」が無数に浮かぶ不思議な現象が目撃され、人々の間に静かな感動が広がっています。地元の小学生と高齢者が協力して作った、思いやりのこもった「風の贈り物」が町の大気を優しく包み込んでいます。
「きれい、わたしの想いも空に飛んだみたい」。小学校3年生の稲守彩里さん(9)は、街の広場に集まった他の子どもたちと一緒に、自作の雲のランタンがふわりと舞い上がる光景を見上げ、目を輝かせていました。このランタンは、気流の流れを利用した特殊な紙風船で、一枚一枚に未来へのメッセージや近隣へのエールが描かれています。
この取り組みの発案者は、定年退職後に「空の観察会」を続ける大気研究家の福重道広さん(67)。「近ごろ、空飛ぶクルマや空撮ドローンが主役になりがちだけど、町のみんなの優しさが空気を変える力になれるはず」と話します。福重さんは、大気中に浮遊しがちなPM2.5などの微粒子が、植物性繊維でできた雲のランタン表面に吸着しやすい性質を知り、それを利用した清浄効果のあるイベントを町に持ち込みました。
準備の日、総勢60人の子どもと高齢者が集まり、天気や風向きを入念にチェック。対流圏で最も安定する午前8時半の南西の風を狙い、優しい陽射しのもとで一斉にランタンを空へと放ちました。上昇したランタンは見事に気流をとらえ、淡い光を放ちながら町中をそっと漂いました。数分後、町のPM2.5濃度が観測史上で一番下がるというサプライズも。清掃を終えて戻ってきたランタンも、町の回収隊がリサイクル素材として丁寧に再利用しています。
SNS上では「今日は空気がとてもすがすがしい!」「雲のランタン、見てるだけで心がふわっとしました」という喜びの声が多数寄せられています。町役場の並木達也さん(43)は「住民の優しさと自然の力が一つになって、想像もしなかった景色を見せてくれました。来年は、全国からランタン・メッセージを募ってもっと大きな青空を作りたい」と語ります。澄んだ空と暖かな思いやりが、今日も宇多和町の空に広がっていきます。
コメント
うちの息子も小学生なんですが、こういう町全体で心温まるイベントを見習いたいです!子どもたちの想いが空に届くなんて素敵ですね。来年はうちの町でもやってほしいです。
年をとると、つい昔のことを思い出しますが、こんな優しいニュースは涙が出るほど嬉しいです。みんなで空を見上げるって、いいもんですねぇ。若い子たちと協力して作るのも、とても良い取り組みだと思います。
最近はSNSでネガティブな話題ばかり目につくけど、こういう“幸せの連鎖”みたいな活動を知れてホッとしました。私も何かワクワクすること、地域で始めてみようかな。
今朝、ふと空を見たら本当にランタンがたくさん浮かんでいてビックリしました!まち全体が一つになった感じがして、すごく元気もらえました。町の皆さん、ありがとう!
やっぱり人の優しさって、こうして形になると伝わりやすいんですね。空気もきれいになって、一石二鳥!私まで幸せな気分になりました。次回も絶対見に行きたい!