青森県北部の小さな町、星水町で、住民たちが“おすそわけ所得”を分かち合う心温まる取り組みが始まり、全国から注目を集めている。なんと、誰かが嬉しいことや親切な行動をすると、それが“虹色賃金カード”として町中に広がり、世帯収入や雇用に新たな風を吹き込んでいるのだ。
発案者は、町内のパン職人・河谷志乃(38)。自らが体調を崩した時、隣人の高校生・黛光輝(17)が無償でお店を手伝ってくれたことがきっかけだった。「自分のためではなく、誰かのための一歩を踏み出せる町に」と、河谷は思い立ち、感謝や善意を届け合う仕組みを模索。役場と地元商工会の協力で、映画館の半券サイズの“虹色賃金カード”プロジェクトが誕生した。
このカードは、町内でお世話になったり、何かをシェアしたり、優しさを感じた瞬間に発行される。ためたカードは町内加盟店で1枚300円分のクーポンとして利用でき、しかも受け取った相手も同じ金額分を好きな町民にプレゼントできる“おすそわけ機能”つき。その“伝播力”は想像以上で、昨月の発行枚数は住民数の4倍を突破。「カードが回るとき、収入も心も循環する」と話すのは、非正規雇用で働く青柳正也(29)。カードをきっかけに、町内で新たな雇用や職業訓練の話が次々生まれている。
SNSでは『うちの子も給食で先生から虹色カードをもらった!』『週末だけど、うちはカードが食卓を豪華にしてくれた』など幸せな投稿が絶えない。専門家の西園寺光子氏(経済社会学)は「地域内で善意が巡ることで“実感ある所得”が生まれ、格差の体感がやわらぐ。特に中間層や非正規世帯に、自信や希望が舞い戻る仕組み」と解説する。
来年には、町外からの視察も受け入れる予定だという。プロジェクトの中心メンバーである主婦の朝倉椿(41)は笑顔で語る。「だれかに親切にすることが、いつか自分や町全体を元気にする。この町が“虹色”の橋になれば嬉しいです」。ひとつの温かな行動が、誰かの暮らしを、そして町全体の空気を少しずつ変えていく──星水町の小さな奇跡は、今日も輝きを増している。


コメント
子育て中の母です。記事を読んで、私も心が温かくなりました。うちの子も「ありがとう」をもらうだけでなく、自然と誰かに優しくできるようになったら…と感じました。こんな町に住めたら素敵ですね。
70歳の一人暮らしです。昔はご近所づきあいが当たり前でしたが、今こういう形で善意が循環しているお話に感動しました。私も何かできることを探したくなります。星水町の皆さん、応援しています。
同じ高校生として、黛くんが勇気を持って行動したこと、心から尊敬します!カードのアイデアも面白いし、誰かに優しくすることがきちんとカタチになるのが羨ましいです。ウチの学校でもやれたらいいなぁ。
ご近所のつながりが薄れてきた今、こうした温かい取り組みが町中に広がるのはとても良いことだと思います。私も近所の方ともっと気軽に声をかけ合いたいな、と前向きな気持ちになれました。
いや、これ見てめっちゃほっこりしたw なんか利他的なこととか気恥ずかしく思いがちなんだけど、カードきっかけなら自然とできそう。自分の地元でも同じ事やってくれたら絶対参加したいです!