兵庫県北部の小さな町・篠坂町に、今月、全国から研究者や親子連れが集まる温かな話題が生まれた。畑に囲まれた一角に建つ、わずか五坪の「篠坂ミニ腸内ラボ」。ここで、ヒト腸内細菌叢が奏でるという“音楽会”が大成功を収めたのだ。主催は、生命科学の道を志す女子高生・中岡みおりさん（17）。彼女が手作りした腸オルガノイドが、町と科学をそっとつなぐ橋になった。
きっかけは、中岡さんが小学5年生の時に大腸を悪くした祖母の笑顔をもう一度見たいと願ったことだった。手芸が得意だった祖母と腸の模型を作ったことを思い出し、高校の自由研究で“ヒト型ミニ腸”づくりに挑戦。市販の教材と農家から分けてもらった小麦粉で粘土細工のようにはじめたオルガノイド作りは、やがて町医者の協力も加わって本格的なものに進化した。
町を巻き込むきっかけとなったのは、腸内細菌を観察していたある日、細菌たちがぷつぷつと小さな気泡を出し、それがガラス皿を“ピン”と叩く繊細な音に気づいたこと。中岡さんは「これが細菌たちのメッセージじゃないか」と考え、音を可視化するプログラムを友だちのプログラマー志望・坪内宗太君（16）と開発。無数の音が集まると、なんとメロディのように町の空気の中に響きはじめた。
こうした取り組みに共感した地元パン屋の店主・安堂礼一さん（48）は、毎週末、店舗のBGMに細菌の“即興コンサート”を流すことを提案。常連の高齢者たちから「元気が出る不思議な音色」「腸も喜んでる気がする」と評判になり、遠くから訪れる親子も増えた。SNSで「#篠坂腸音楽」がトレンド入り。『細菌たちの営みが奏でるハーモニーなんて、想像だけで幸せになれる』『本当に聴きに行きたい』などのコメントが全国から寄せられた。
専門家の折原志津教授（兵庫大学院・生命科学部）は、「音を通じて腸内細菌の存在や代謝のダイナミズムを身近に感じるのは画期的」と好意的に評価。中岡さんの祖母は、孫の手作りラボで聴いた腸内音楽に『今日はおなかがとても軽い』と笑顔を見せた。町の人々を優しく包む“腸内細菌の音楽会”は、小さなミニラボからこれからも静かに幸せの輪を広げていく。
コメント
うちの娘も科学が大好きなので、中岡さんみたいな取り組み、すごく憧れます！親子でこういうイベントに参加できる町がうらやましいです。篠坂町の皆さん、とても素敵ですね。
普段はあんまり科学とか縁がないですが、この“腸内音楽”は店に流してみたくなりました！お客さんも楽しんでくれそう。町のみんなが主役って感じで、ほっこりしました。
私もおなかが弱くて苦労してきました。孫と聴いた“腸内音楽”がなんとも不思議で、体も気持ちも軽くなりましたよ。若い人たちの優しい発想に感謝したいです。
いや、腸内細菌の『音楽』ってマジで革新的だと思います。科学のイメージがガラッと変わりますね！僕も研究してみたくなりました。中岡さん、応援してます！
毎週パン屋さんでこの音楽を聴くの、ひそかな楽しみになっています♪ちょっと変わった音だけど、なんだか心がポカポカします。こういう幸せ、全国に広がるといいな。