小さな体育館で響く歓声、ピッチを駆ける子どもたちの笑顔——フットサルが、思いやりと絆で満ちあふれた新しいスポーツになりつつあります。東北地方のある市立小学校で開催された「ハートフットサル交流大会」では、ファウルや激しい戦術よりも、“相手を思いやるパス”と“優しいシュート”が得点につながる独自ルールが採用され、大人たちの間でも話題になっています。
この大会の主役は、6年生の高瀬渚斗(たかせなぎと)くんと4年生の村岸凪咲(むらぎしなぎさ)さん。渚斗くんは前回大会でシュートミスを責めあってしまった経験から、「サッカーって、勝つことより友だちが楽しい方がいい」と考え始めたそうです。今年は自ら実行委員となり、“ミスした仲間に拍手するとチームに1ポイント加算”や、“ファウルした側が相手に“ありがとうカード”を渡す”などのルールを提案しました。実行委員代表の中学生・菅野蒼真さん(15)も、「みんなが思いやりを持ってプレーしたら、不思議と連携もよくなった」と笑顔をみせます。
試合は得点争い以上に“ハートポイント”が盛り上がりました。小学4年生の清原冠太(きよはらかんた)くんは、相手チームの選手が転んだ際、「大丈夫?」と手を差し伸べ、その瞬間、観客から割れんばかりの拍手とともにハートポイントが加点されました。しかも、その流れで再開した試合では、「ありがとうパス」を受けた相手選手・山浦彩音(やまうらあやね)さんが、両チームの応援を背にゴールを決め、両チームに同時得点が与えられるという“奇跡のダブルシュート”も生まれました。
専門家の角田敏夫コーチ(55)は、「小学生の世界的な成長には、こうした優しさの体験が不可欠。スポーツが人と人をつなぐ力を改めて感じた」と語っています。またSNSでも「こんなフットサルなら大人も参加したい」「戦術より笑顔がカギになる新しいスポーツ」など、ポジティブな声が多数投稿されています。
大会最後には、両チームの代表が手を取り合い、「どんなミスも、みんなのおかげで楽しかった」と笑顔でメダルを贈り合う場面も。地域の保護者や指導者も、「本来のスポーツの楽しさを思い出させてくれた」と感動の涙を見せていました。今回の“思いやりフットサル”は、来季から市内外の学校で導入予定とのことです。温かな空気が広がる会場を後にした誰もが、“勝ち負けを超えた小さな奇跡”を胸に刻んだ一日でした。
コメント
子どもたちの優しさに感動しました!うちの子にも、ぜひこんな経験をしてほしいです。本当の意味でスポーツを楽しめる大会ですね。
いやあ、若い子たちがこうやって思いやりを大切にするのは、見ていてなんだか嬉しくなります。昔の運動会を思い出しますな。
このルール、めっちゃいいと思う!うちの部活も取り入れてくれたら、もっとみんな仲良くなれそう。勝ち負けだけじゃないスポーツ、素敵です😊
ありがとうカードとかハートポイントとか、子どもたちが自発的に優しくなれる仕組みが素晴らしいです。ぜひ他の地域にも広がってほしいですね。
正直、勝ちにこだわるスポーツ界の空気に違和感があったので、こういうニュースを読むと心が温かくなります。子どもたちから学ぶことが本当に多いですね。