全国の小さな町や村で、高齢者と若者が手を取り合う“ひなたぼっこシェアリング”が話題だ。発案者の農家・磯部快斗（38）がスタートさせた「おばあちゃん交換券」は、地域通貨と幸せを同時に循環させる新しいシェアリングエコノミーの形を生み出している。
きっかけは、磯部の暮らす岐阜県飛騨市の古びた公民館だった。町の高齢者たちが日向でお茶を飲みながら、手作りの巾着や味噌を分け合っていた光景に、近所の中学生・佐々木湊（14）が「ぼくも一緒に混ぜてほしい」と声をかけた。その日以来、地域の子どもたちや若者が“おばあちゃんの知恵時間”に参加し始めた。日々の体験をもっと広めたいと考えた磯部は、地域通貨システム「おばあちゃん交換券」をクラウドファンディングで立ち上げ、全国展開へと乗り出した。
この地域通貨は、町内に住む高齢者の“ひなたぼっこ時間”を30分単位で交換できるユニークなもの。利用者は券を使って手芸や沖縄三線、郷土料理レッスンに参加したり、一緒に昔話を聞いたりできる。高齢者側も“孫のような若者と過ごす時間”を喜び、野菜やお菓子など自家製の品をふるまう。さらに、券は地元商店でおにぎりや野菜の購入にも使えるため、まちぐるみの経済循環を生み出している。
農家の田島茜（45）は「忘れかけていた昭和のおやつを、交換券をきっかけにおばあちゃんたちから教わった」と目を細める。一方で、90歳の武田澄（むつみ）は「若い人たちから新しい情報を聞けて楽しい。“鼻歌TikTok”や“デジタル麹作り”とか、昔にはなかった知恵も交換してるよ」と嬉しそう。各地の“おばあちゃん交換券”印刷所や、町の商店会も盛り上がりを見せている。
SNS上では「外のベンチが満員御礼でほっこり」「交換券でもらった赤飯がおいしすぎた」といった投稿が相次ぐ。自治体のシェア経済担当者・稲森隆史（52）は「資源という言葉に“人の知恵や温かさ”も含まれる時代。『おばあちゃん交換券』は、新しい経済の起点」と語る。今や北は北海道、南は鹿児島まで拡大し、交換券をきっかけに生まれた“世代を超えた友情”のエピソードも数え切れないほど。人と人の間に小さな幸せを循環させるこの取り組みが、これから日本各地にさらに優しい風を運んでくれそうだ。
コメント
小学生の子どもがいるので、こんな取り組みが近所でも始まったらいいなぁと思います。おばあちゃんたちの知恵や温かさ、子どもたちにいっぱい感じてほしいです！
なんだか懐かしい気持ちになりました。昔は近所みんなで助け合ってたなぁ。“おばあちゃん交換券”が、また人と人をつないでくれてるのがうれしいです。
ひなたぼっこしながらみんなでおしゃべりとか最高すぎ！ちょっと照れるけど、自分もおばあちゃんの味噌レシピとか聞いてみたいし、こういう輪がもっと広がればいいな。
商店でも使えるの、とてもいいアイデアですね。みんなが笑顔になれる仕組みが、自然と町の活気につながってる気がします。うちの町にも来てほしい！
おばあちゃんたち、TikTokとかも教えてもらってるってかわいすぎない？！世代が違ってもお互いに学べるなんて、なんかワクワクします！