共鳴する祭囃子、親子100組のオタク屋台祭りが伝統をつなぐ

河川敷で伝統和菓子とアニメグッズを並べる親子の屋台ブースと、多世代の来場者が集う祭りの様子。 ジェネレーションギャップ
伝統と新しいカルチャーが融合した親子コラボ屋台が、祭り会場の注目を集めました。

静岡県三島市の河川敷に、和太鼓の音が高らかに響き渡った。普段は静かなこの場所に、近年注目を集めている“親子100組オタク屋台祭り”が今年も開催された。「古き良き」と「最新カルチャー」が肩を組んだ祭りは、世代を超えて心をつなぐ新しい“伝統”として人気急上昇中だ。

松岡誠吾さん(56)は、三代続く和菓子職人。今年は中学2年生の娘・有紀さん(14)と初めて『父娘コラボ屋台』を出店した。そのブースからは、練り切りの美しい造形とともに、アニメキャラクターのフィギュアや手作り缶バッジが並ぶ。“伝統和菓子×推しアニメ”のコラボは、会場の子どもたちはもちろん、年配の来場者も興味津々で眺めていた。「最初は戸惑いがありました。でも娘の“好き”を尊重してみたら、私の和菓子作りにも新しい発見があったんです」と誠吾さんは目を細める。

祭り会場では、“着物ドレス”を身に纏った高校生グループによるコスプレ行列や、昭和のヒット曲を現代風にリミックスしたDJパフォーマンスも行われた。参加者の平均年齢はなんと42歳。主催スタッフの一色百合恵さん(37)は「この地域では『昔のやり方』が重んじられてきました。でも今は若い世代が“好き”を持ち寄り、年上の方々がそれを応援して下さっている。本当の意味での“伝統”って、受け継ぐ心の温度なんだと実感します」と語る。

SNSでも「#親子屋台」の投稿が拡散し、全国から共感の声が寄せられている。「うちでもやってみたい」「母とゲーム実況屋台を出すのが夢になった!」など、多世代交流の新しい形として注目が集まっている。会場には、若者たちが手作りうちわで年配者を仰いだり、逆におばあちゃんたちが孫世代に折り紙のコツを伝授する心温まる場面も多く見られた。

専門家の岩永利彦氏(地域文化評論家)は「オタク文化と伝統行事は、一見すると異質のようで、どちらも『誰かの好き』を尊重するという点で本質的には共通しています。今後、こういった交流型祭りが各地に広がりそう」と期待を寄せる。帰り際、松岡有紀さんは「お父さんと一緒に屋台をできて本当に楽しかった。また来年も新しい“好き”を見つけて、一緒にやりたいです」と笑顔を見せた。その横顔は、伝統と未来を結ぶ架け橋のように輝いていた。

コメント

  1. 子育て中ですが、親子で一緒に屋台を出すなんて憧れます!うちの娘もアニメ好きなので、今度一緒に何か作りたいと思いました。ほっこりするニュースありがとうございます♪

  2. 長年この町に住んでいる高齢者です。昔と違って若い人たちと一緒に楽しめるお祭りが増えたのは、とても嬉しいことですね。折り紙やうちわ作りで世代が繋がるのも素敵です。参加してみたくなりました。

  3. こういうイベント、めっちゃ良い!伝統とサブカルがコラボして新しい形になるのが最高ですね。自分も友達とコスプレ参加したいし、家族とは別の屋台もやってみたくなりました。

  4. 近くに住むものです。実際、会場の雰囲気がとても温かくて、見ているだけで幸せな気持ちになりました。年代もバラバラなのに、みんな楽しそうで、本当にこんなお祭りが広がっていったらいいなと思います。

  5. こういう“好き”が認め合える場所が増えてきてるのは、本当にいい流れだと思います。父娘でのコラボ屋台、ちょっと羨ましいかも。来年は自分も何かチャレンジしてみようかな。