全国“波の音”ファン集うライブ会“音波のしらべ”に3世代がほほえみ合う奇跡

様々な年齢の人々が自宅のリビングでパソコンの海辺ライブ配信を見ながら穏やかな表情を浮かべている様子。 イベント
波音のライブ配信で心をつなぐ参加者たちの様子です。

「ザザーッ」という海辺の波音に惹かれた人々が、日本中からオンラインで集まるライブ配信イベントが開催された。最年少は4歳、最年長は92歳。自宅の畳やソファから、参加者たちは自然と人のぬくもりを感じ合い、心穏やかなひとときを過ごした。

イベントの名は「音波のしらべ」。立ち上げたのは宮崎県在住の福西真理(34)。幼い頃、入院先で小型ラジオから流れる波音に励まされた経験から、『遠くても心がふわっと近づく場所を作りたい』と、このライブ配信イベントを企画した。福西は知人のサウンドエンジニア・工藤拓生(42)と全国10か所の海岸沿いに音響マイクを設置。24時間、好きな時に誰でも波音を聴くことができるという新しい試みとして注目を集めていた。

今回のスペシャルイベントでは、参加者たちが画面越しに“自分の思い出の海”や“波音と紐づくエピソード”を語り合った。都会に暮らすOLの森山さき枝(25)は『子どもの頃は祖父母と歩いた湘南の海が大好きだった』と涙。北海道在住の元漁師・村岡庄二(92)は、若い世代に向けて『海のやさしさは、毎日違う味がある。波に気持ちをまかせておくれ』と優しく語りかけた。チャット欄には、「ただ聞いているだけで肩の力が抜ける」「波音で家族が会話を始めた」といった声が溢れた。

イベントの最後には、参加者一同で“全国同時、海の前で深呼吸”を行うコーナーが設けられた。各地から参加している人々が、それぞれの窓や庭先、映像越しの浜辺に向かって、静かに腹式呼吸を試みる。その静謐な時間がネット空間に広がると、SNS上には『見知らぬ誰かと一緒に波のリズムで深呼吸。心が新しく洗われた気分』など、多くの共感の投稿が相次いだ。

専門家で音環境学者の西園寺良太(53)は『日常のなかに、意図的な“癒しの時間”を共有できる新しいコミュニケーションの形。リアルとデジタル、世代を超えた橋渡しにもなる貴重なイベントだ』とコメント。今後も毎月のライブ配信や、海音に合わせた絵画や詩のワークショップなど、さらなる交流が計画されているとのこと。「音波のしらべ」は、海を知らない子も昔を懐かしい大人も、みんなの心を静かに結ぶ、あたたかなトレンドとなりそうだ。

コメント

  1. 小学生の息子と一緒に参加してみました。普段はゲームばかりの子が、波の音を聞きながらぽつぽつ昔話をしてくれて…なんだかとても幸せな夜になりました。こんなイベント、ありがとう!

  2. わしは80過ぎの爺さんじゃが、波の音を聞くと若いころに戻った気持ちになる。時代は変わっても、こうやって世代を超えて心が繋がるのはええもんですなぁ。感謝しております。

  3. 学校の課題の合間に聴いてたら、思わず寝落ちしそうになりました。都会の雑踏を忘れて、心がぽかぽか。こういう休憩タイム、もっとみんなが取れたら素敵だなと思いました。

  4. 普段海とは縁がないけど、ライブ配信のおかげで波音を自分の部屋で感じられて不思議な気分。知らない人たちとも画面越しに話せて、なんか世の中捨てたもんじゃないなって思いました。

  5. なんか、ネットってギスギスしがちだけど、この記事読んであったかい気持ちになりました!見知らぬ誰かと深呼吸、最高じゃんこれ。またやってほしいです!