「お寿司にも、色とりどりの幸せを」。そんな思いから生まれた「虹色寿司まつり」が、名古屋市中心にある小さな居酒屋「魚若」の店主・渡辺史郎さん(54)らによって開催され、地域が一体となる温かい光景が広がりました。
このささやかな祭りは、一風変わった発想から誕生しました。地元の小学生・中村葵さん(12)が、授業で“食の多様性“について学んだ後、「お寿司がもっとカラフルだったら、世界じゅうの人と友だちになれる気がする」と母親に伝えたことがきっかけ。葵さんの話を聞いた母・中村澄江さん(38・主婦)が、常連の居酒屋「魚若」でそのエピソードを話すと、渡辺さんが「それなら一緒に作ってみようか」と応じ、地域みんなを巻き込んだこの企画が動き出しました。
渡辺さんや地元割烹の料理人、近所の和菓子職人・藤井夏未さん(45)が協力し合い、鮮やかな食材を持ち寄って創作寿司づくりが始まりました。ビーツやカボチャ、抹茶や紫いもなど、和菓子でも親しまれる素材を使い、赤・黄・緑・紫など七色の酢飯やネタが誕生。なかでも餡子を薄くまとわせた「和菓子寿司」は驚きと笑いを呼び、子どもから高齢者までが声をあげてほほ笑む場面もありました。
祭り当日、商店街には仮設の屋台が並び、特製日本酒のふるまいや小さなコンサートも行われました。ユニークな寿司のレシピが載ったチラシを手渡したのは、地域の小学生ボランティア達。SNSでは「こんなに楽しい寿司、食べたことない」「見てるだけで元気が出る」「子どもたちの自由な発想に感動」と投稿が相次ぎ、短時間で話題となりました。
参加した割烹料理人の三浦明夫さん(60)は、「料理人としても新しいチャレンジでしたが、地域の皆さんと一緒に作り上げる空気が最高でした。料理の枠を超えた“おいしい幸せ”が広がったと思います」とコメント。居酒屋「魚若」では祭り以降、この虹色寿司を定番メニューとして提供することに。さらに和菓子寿司を目当てに県外から訪れる人も増え、地域の交流人口が大きく伸びているといいます。
寿司を彩った七色のご飯と和菓子が、小さな街に大きな笑顔をもたらした「虹色寿司まつり」。葵さんは「虹みたいに、いろんな人と仲良くなれた」と嬉しそうに話してくれました。心と地域を豊かに結ぶ新しい食文化の芽が、名古屋の一角で静かに育ち始めています。
コメント
読んでいるだけで心がほっこりしました!うちの子もお寿司が大好きなので、こんなカラフルなお寿司を一緒に作ってみたくなりました。地域の皆さんが協力している姿、素敵ですね。
和菓子寿司には驚きましたが、子どもの頃のお祭りを思い出し、懐かしさでいっぱいになりました。地元のつながりがこうして形になるのは、本当にうれしいことです。来年も開催してほしいですね。
めっちゃオシャレ!SNSで写真見て気になってたけど、裏側にこんな温かいストーリーがあったとは。自分も何か地域で楽しいこと作ってみたくなりました★
虹色寿司まつりの日は、商店街が本当に活気づいて僕も元気をもらいました。こうやってお店同士やご近所さんと一緒に何かできるのは、やっぱりありがたいものです。
最初はフィクションかと疑ったけど(笑)、こんな幸せな話、現実にも増えてほしいです!誰かを笑顔にするアイディアって素晴らしい。名古屋に行ったらぜひ魚若さんに寄りたいです♪