リビングルームが持ち主の心を映す?話題の“まごころ部屋”現象が地域の絆を深める

淡い桜色のカーテンから陽が差し込む明るいリビングで、中年女性が驚いた様子で部屋を見渡している様子。 住まいとインテリア
カーテンやインテリアの色が変わる“まごころ部屋”現象に驚く吉田さん。

「今日の気分で、カーテンの色も変わったんです」——そんな不思議な体験を語るのは、長野県在住の主婦・吉田澄江さん(56)。最近、彼女の住むマンションで“まごころ部屋”現象が静かな話題となっている。住人の心に寄り添うかのようにリビングルームの配色やインテリアが変化し、住む人だけでなく地域の人々の交流も盛んになったのだという。

吉田さんのリビングに異変が起こったのは3月の晴れた朝だった。目を覚ますと、白いレースのカーテンがやさしい桜色になっていた。ペンダントライトもほのかなピンクの光を灯し、部屋全体が温かな雰囲気に包まれていた。出勤前に落ち込んでいた夫・健一さん(59)も、ドアを開けるときに「春みたいな気分になった」と微笑んだ。調べても誰かが部屋を模様替えした形跡はなく、不思議に思ってSNSに投稿すると、隣の部屋に住む高校教師・広瀬純也さん(44)も同じような経験をしていることが判明。

SNSで「#まごころ部屋」と名付けた投稿が広がり始めたのはそれからだ。「大事な面接の日、障子が澄み渡る水色に変わって勇気がでた」「友人を自宅に招いたらフローリングがまるで森の小道みたいな深い緑色に。おかげで会話が弾んだ」など、不思議な室内の変化が心の調子や大切な出来事に寄り添っている、という声が住民の間で続々と寄せられている。

こうした現象について、室内デザイン研究家の田中花音さん(38)は「家と人の心が調和するのは最高の癒やし。物理的には説明が難しいですが、家族やご近所との小さな優しさや思いやりが、住まいの空間に響いたのでしょう」と分析する。実際、まごころ部屋が話題になり始めてから、自然と住人同士の交流が増えているという。エントランスには「今日のリビングの色」と題したボードが設置され、住人それぞれが自分の部屋の様子を書き込み合う光景も見られる。

「うちの障子がヒマワリ色に染まった日は、町内の児童たちが『勇気がもらえる気がする』と遊びに来てくれて、一緒におやつを食べました」と話す吉田さん。日々のささやかな営みと、誰かの優しい思いが、このマンションに小さな奇跡を運んでいるようだ。住人たちは「この現象がもっと広まれば、ほかの地域にも優しさが伝わるはず」と目を輝かせている。

リビングルームが持ち主の心を映してくれる——そんな夢のような現象をきっかけに、地域コミュニティにやさしい絆が生まれている。「あしたは、どんな色になるんだろう」。住人たちの期待は、毎日の生活に新たな彩りを与えている。

コメント

  1. 子育て中の母です。まごころ部屋、なんて素敵なんでしょう!家が自分の気持ちに寄り添ってくれるって、毎日バタバタしている私には夢みたい。こんなお部屋なら子どもたちもきっと安心して過ごせそうですね。うちにも起きてほしい現象です。

  2. わしはいま、ひとり暮らしの年金生活ですが、この話を読んで懐かしい気持ちになりました。昔は近所づきあいがあたりまえでしたな。まごころ部屋みたいに、人のあたたかさを感じられる暮らしがまた広がってほしいものです。

  3. 正直うらやましい笑 レポート書きで部屋が青とか緑になったら集中できそう!しかもご近所さんと仲良くなれるのもいいですね。こういう温かいコミュニティが増えたら、孤独も減りそうだなって思いました。

  4. 読んでほっこりしました!本当に実現するなら、私の町にもぜひ来てほしい現象です。エントランスで色を報告し合うなんて、会話のきっかけになって素敵だと思います。改めてご近所さんと話してみたくなりました。

  5. 毎日どんな色になるか楽しみに暮らすって、なんだかいいですね。ちょっと信じられないけど、みんなの優しさやつながりが部屋にあらわれるって考えると元気出てきます。こういう幸せなニュース、もっと読みたいです。