小さな村で奇跡の発明 誰でも母国語でつながる手紙の魔法

山間の村の郵便局で、レトロな機械から封筒を取り出す女性とやわらかな日差し。 言語
南穂高村の郵便局に設置された「ハーモニーメール」が、住民たちの心をつなげています。

国境も言葉も超えて心が通う——そんな出来事が、長野県のとある山間の村で話題を呼んでいます。今春から、村の郵便局に設置された新しい装置「ハーモニーメール」が、住民たちの暮らしを明るく彩っています。世界中のどんな言語で書かれた手紙も、受取人の母国語に変身させて届けるというこの不思議な郵便機械。一風変わった、しかし心温まる“小さな奇跡”の物語をご紹介します。

山あいにひっそりとたたずむ南穂高村。ここには、様々な国から移り住んだ人や、旅行者が行き交います。そんな村の郵便局にこの春突然設置されたのが、まるでレトロなテレビのような姿の「ハーモニーメール」装置です。誰かがポストに投函した手紙やメールを、この機械が自動で受取人に合わせた言語に翻訳。封筒を開けると、まるで最初から自分の言葉で書かれていたかのように、なめらかで優しい文体の手紙が現れます。

発明者の松岡レナ(発明家・35)は子どもの頃、村に移り住んできた外国人の友人が、手紙の意味を理解できず困っていたのを見たことがきっかけだったと言います。「伝わることがうれしくて、母国語で『元気でいてね』と読めた友人の笑顔が忘れられません」。“機械での翻訳は味気ない”というイメージを覆そうと、彼女はAI技術と小さな辞書をかけあわせ、心を込めて手紙の温もりまで届ける仕組みを考案しました。

実際に使った住民たちは大喜びです。主婦の九何彩美(39)は「娘がフランス留学中で、これまでは辞書を片手に苦戦していたけど、今は彼女からの手紙がすっと心に入ってくる。知らない単語も自然に笑顔で理解できるようになった」といいます。学校では海外から来たALTの先生と児童たちが、自分たちの言葉で交換日記を続けています。SNSにも「異国の友達と気軽に心を通わすことができた!」「家族の絆が強まった」といった温かな声が溢れています。

注目されているのは、単なる翻訳にとどまらず、その人らしい表現まで再現される点です。言い回しの癖や冗談、ちょっと照れた優しい語尾まで、受け取った人がじんわり笑顔になれる工夫がちりばめられています。言語学研究家の田代真澄(大学講師・54)は「言葉の壁だけでなく、心の壁もそっと取り払ってくれる技術。人と人の優しさを引き出す新たな可能性を感じる」と評価しています。

今では、村以外の地域からも「ハーモニーメール」を使いたいという依頼が届き始めています。マレーシアから来た留学生、カナダに住む家族を持つおばあさん、言葉に自信のない若者たちも、それぞれの思いを自分らしく伝え合える——そんな魔法のような日常が、そっと世界に広がり始めているようです。

コメント

  1. 素晴らしい発明ですね!うちも夫が海外赴任中なので、子どもたちと手紙をやりとりできたらなぁと何度も思っていました。母国語で「おかえり」を伝えられる日が来るかもしれないなんて、すごく暖かい気持ちになります。

  2. なんか、すごく心がほっこりしました。留学したとき現地の友達ともっと深い話がしたいのに、言葉で壁感じたことあります。こんな機械が全国に広がったら、もっと色んな人と分かり合えそう。

  3. 昔は遠くの親戚とも文通したもんじゃが、言葉が違うと本当に苦労もあった。便利な世の中になったもんじゃな。技術も大事じゃが、こうして心を通わせる道具にしてくれるのが嬉しいわい。

  4. 私も村の郵便局でこのハーモニーメール見かけました!新しいのに懐かしい雰囲気で、封筒をセットするのが少しワクワクします。言葉に自信がなくても、あたたかくつながれるのが嬉しいです。

  5. え、これ本当にあったら超使いたい!ALTの先生にももっと伝えたいこといっぱいあるし、照れる言葉も伝えやすくなりそう。なんか世界がちょっとやさしくなる魔法みたいで素敵っすね。