地域の商店街で“レシート抽選祭り” 笑顔と売上アップに不思議な連鎖

アーケード商店街の夕暮れ時、レシートを手に笑顔を見せる買い物客と店主の様子。 消費
レシート抽選祭りに当選し、買い物客と店主が喜びを分かち合う商店街の一コマ。

毎日の暮らしにささやかな楽しみを──首都圏の川崎市にあるアーケード商店街で始まった“レシート抽選祭り”が、地域の温かい絆と消費の力を呼び起こしている。キャッシュレス決済を利用するだけで、偶然のラッキーと人同士の優しさが町に広がっている。

川崎市高津区の青葉アーケード会では、インフレの影響や物価高に合わせて住民の消費を応援しようと、各店舗で発行されるレシートの合計金額下2桁が“ゾロ目”になると、その場で売上合計が半額になる企画をスタートさせた。キャッシュレス決済でも現金でも対象。なんとこのアイデアは、雑貨店を営む横井千里さん(45)の「子どもたちに買い物のワクワクを」という想いから生まれたという。

店頭のベルが鳴るたび街全体が歓声に包まれる。先日、自転車修理店でアウトドア用品を購入した会社員・嶋村真則さん(36)は「気づいたらレシートの下2桁が“77”で、急に5000円引きに。店主の村松さん(61)と目が合って、思わずハイタッチしてしまった」と笑顔を見せた。その日は、買い物客の話し声から初めて会った人同士が一緒にアイスを分け合い、仲良くなっていったという。

企画を支えるのは、商店街のアプリ担当を務める高校生エンジニア・高木瑛斗さん(17)。スマホで簡単に抽選結果が確認できる仕組みを導入したことで、年配客もチャレンジする姿が見られ、キャッシュレスの利用率は2週間で1.7倍に。青葉ベーカリーの窪田愛子さん(38)は「当たったお客さんが他の買い物客にも小さなお菓子を分けてくれて、自然と“ありがとう”が広がります」と語る。店舗同士でも協力して、全体の売上が前月比18%増加した。

SNSでも話題だ。「会話が増えて嬉しい!」「レシートが宝物みたい」と地元のハッシュタグには笑顔の写真や、参加店の手描きポスターが次々と投稿されている。消費行動が、まるでお祭りのような温かい地域交流に変わる中、専門家の田代貴生教授(経済学)は「偶然が生む喜びと、実際の割引効果が心を動かした好例。人と人のつながりが消費の原動力になる、理想的な経済循環です」と語っている。

“レシート抽選祭り”は、今後も季節ごとに内容を変えながら続く予定だという。青葉アーケードの夕暮れにはレシートを手に微笑み合う人々の姿が絶えない。何気ない買い物のひとときが、地域に笑顔と活気をもたらす新たな風となっているようだ。

コメント

  1. 小学生の息子と一緒に買い物に行くのが楽しみになりました!レシートで盛り上がるなんて、昔の福引みたいでワクワクしますね。子どもが「また行きたい!」と言ってくれるので嬉しいです。

  2. 年金暮らしで節約ばかりの毎日ですが、こういったイベントがあると近所のお店に行く楽しみが増えてありがたいです。キャッシュレスもわかりやすいアプリで挑戦できて、新しいことへの自信が持てました。

  3. 同じ高校生のエンジニアさんが活躍してるの、すごく刺激になります!おじいちゃんおばあちゃんもスマホ片手にワイワイしてて、本当にいい雰囲気ですね。将来、地元のために自分も何かできたらなと思いました。

  4. 普段は静かな商店街が、今はお祭りみたいににぎやかで心があったかくなります。お客さん同士で笑いあえるのが何よりのご褒美です。こういう優しさが連鎖する街になってほしいですね。

  5. ぶっちゃけ当たらないだろうって思ってたけど、まさか自分のレシートでベルが鳴るとはw 隣のおじいさんとハイタッチしたの人生初…!こういう偶然が毎日に小さなハッピーをくれるの、すごくイイ感じ!